SIMPLIFY3Dでデュアルノズルの造形をしてみる
姐さんがグールに・・・
SIMPLIFY3Dで早速デュアルノズル造形を試してみました。
前回の記事SIMPLIFY3Dを買ったので初めて使ってみるで書いたようにSIMPLIFY3Dを購入しました。
何とか造形するところまで行きました。次はデュアルノズルでの造形をする設定を把握したいです。
デュアルノズルの造形では2つのフィラメントを使って造形する事になりますが、大きく2つの使い方に分かれます。
一つは3Dモデルそのものが複数種類の材料用にモデル情報が構成されており、これを複数のノズルに割り当てて1度に造形するものです。
もう一つは、3Dモデルを出力するノズルの他に、サポート材だけを出すノズルを設け造形する場合です。
今回は後者のサポート材PolySupportを使って造形する方法をS3Dに設定したいと思います。
前回と同じようにマニュアルをまだ読んでいません。そのため間違った事が書いてあるかもしれません。
デュアルノズルのオフセットを設定する
前回の記事でextruderを追加する事はできていました。しかし、ノズル位置のオフセットを設定する場所が見つかりませんでした。どこでやるんだろう?
3Dプリンタによってはプリンタ本体のFirmwareにノズルのオフセットが記憶されており、G-CODEのノズル切り替えによってそのオフセット値の補正を行ってくれるものもあるようです。このような3DプリンタだとG-CODE自体はプリンタ固有のオフセットと関係が無くなるため、より汎用的なG-CODEとなります。要はオフセット量の異なる3Dプリンタであっても同じG-CODEで出力できる事になります。同じプリンタを複数使う時は必須でしょう。
BS01+の場合はオフセット値をファームに記憶していないようです。そのため、どこかでノズルのオフセット値とG-CODEの関連付けをしてやらないといけないはずです。
ものは試し、エクストルーダを一つ追加しただけの状態で出力してみましょう。
Edit Process Settingsを開きSupportタブでサポートを出力するextruderを指定できるようです。モデル用のABSを左のノズルからサポート用のPolySupportを右のノズルにセットしてSupportのextruderを右のノズルに割り当ててみます。
それではお試しプリント。
ですよねー。 色が同じ白なので区別しにくくすみません。
見事にノズルの位置だけずれてABSとPolySupportが出力されています。これで私の知らないところで勝手にオフセットが補正される事は無い!というのが確認できました。
さて、オフセットの指定方法を探さないと。まだ、マニュアル見てません。だってどこに書いてありそうか探すのが面倒なのです。同じ探すならウインドウ見た方が早そうだし。急がば回れなど知りません。
それではSIMPLIFY3Dの設定画面を舐めるように見ていきます。どう考えてもProcessの設定にあるはずです。Edit Process Settingsを押して設定画面を見ていきます。ちなみにこの設定画面のタイトルが"FFF Settings"になっています。FFFって何でしょうか?
"FFF (fused filament fabrication) is an additive manufacturing technology. A fused filament fabrication tool deposits a filament of a material (such as plastic, wax, or metal) on top or alongside the same material, making a joint (by heat or adhesion).Fused Filament Fabrication is equivalent to Fused Deposition Modeling. "RepRap
溶かしたプラスチックで作る方法っていう事ですか。FDMとかいうのと同じだそうです。
FFF Settingsを眺めてG-Codeタブにそれらしいのがあります。
Update Machine DefinitionグループにToolhead offsetsというのがあります。
前回の記事にも書きましたが、Update Machine Definitionのチェックを入れて使うようにした方が良いでしょう。同様の設定がTools->OptionsのMachineタブにもあります。3Dプリンタを1台だけしか使わなければチェックしようがしまいが同じようなものですが、プリンタ依存の項目は分離しておきましょう。
実は先ほどの写真の失敗例の時はすでにオフセット値を入れていました。オフセットの値は反映されないのでしょうか?
良く調べていませんがBS01+ではこの値は反映されないようです。それではどうしたら良いのでしょうか?G-Codeタブを良く見ていると左側に気になる項目があります。
何かモデルをImportしてスライスしてみましょう。
今回は再びハク姐さん
"Yowane Haku" 3D Printable model (STL)
http://www.thingiverse.com/thing:43006
サポートがズレて表示されました。モデルをTool 0、サポートをTool 1に割り当てています。
スライス結果のプレビューは生成されたG-Codeの座標をそのまま表示しているようです。従って、BS01+のオフセットをG-Codeに反映させたのでプレビューではその分逆にズレて表示されるようです。この表示は逆補正できるのかな?ヘッドの移動軌跡という意味では逆補正しちゃ意味が無いんですが。
これで何とかデュアルノズルで造形できそうな雰囲気になりました。オフセットを設定したら何かモデルをインポートして1層だけプリントしてオフセットが反映されているか確認します。
ここで混乱するのがオフセット値の符号です。BS01+ではX方向にノズルが並んでますが、どっちが+でどっちが-なのでしょうか? 何回かお試しプリントをしました。
今のところ
左側ノズル(Homeに近い方) : +14mm
右側ノズル(Homeから遠い方) : -14mm
と指定したらちゃんと重なってプリントされています。Y方向は? まだ試してません。
あっそうそう、セカンドノズル用の温度設定をしなくてはいけません。
前回混乱したTemperatureタブでTemperature Controllerを追加します。
Add Temperature Controllerを押して名前を付けてやると追加されます。
2ndノズルのTemperature IdentifierはT1とします。1stノズルはT0のままです。ベッド温度はT0でいいみたいです。
ここの画面の設計はよろしくないと感じます。Materialを変えるとTemperatureタブの設定も合わせて変ります。材料依存の温度設定にならなくてはいけないので当然の動作ですがUIとしてのセンスが悪くないかと。
Materialはフィラメントの種類ごとに追加してTemperatureタブで温度を設定する事になります。デュアルノズルの場合は、左右のフィラメントの種類の組み合わせごとにMaterialを追加していくのでしょう。
例えば1stノズルがABS、2ndノズルがPLAの場合、ABS-PLAとか名前を付けてTemperatureタブの1stノズルの温度をABS用に、2ndノズルの温度をPLA用にします。逆の場合、1stノズルがPLA、2ndノズルがABSの場合も使いたいという時は、PLA-ABSとか別の名前を付けてMaterialを追加してノズルの温度を先ほどと逆にしたプロファイルを作ります。
つまり、ノズルとフィラメント材料の分離ができないUIとなっているようです。プログラムのデザインとしては感心しませんが、実際の作業という面では納得できるところもあります。
Slic3rなどはフィラメントの材料は分離されています。しかし、異なったフィラメントを指定しちゃったり指定し忘れたりします。ノズルとフィラメント材料の選択組み合わせの数が増え複雑になるんです。
この項目は実物依存の面が強いので一緒にしておくと選択肢を減らせて作業ミスが減ります。実際、一つのノズルは極力同じフィラメントを使う事になるので無駄な組み合わせができちゃうUIの方が悪いという考え方もありです。
しかしながら最初の設定がややこしくなります。一度決まれば変更する事のほぼ無い条件なので決まれば簡単になりますが決まるまでは面倒です。
要はフィラメント依存で変わる項目がどれか?一目でわからないUIは良くないと感じます。
ノズルに対応したフィラメントを個別で管理するにはProcessで行う感じでしょうか。
SIMPLIFY3Dの設計思想を推測するには実験がまだぜんぜん足りません。
能書きはよいので、早速プリントしてみたいです。
デュアルノズルで造形してみる
寝る寸前にここまではわかったのでハク姐さんを造形して放っておきます。FFF SettingsのAdditionsにノズルからの垂れを防止するPrime Pillarの設定とABSの反りと垂れよけのOoze Shieldの設定があります。両方使ってみましょう。
以前からの課題、アホ毛のサポート材も追加してみました。サポートの使い方は別記事で書く予定です。
今日はSIMPLIFY3Dを買ったばかりだからここまでやって造形開始して寝ます。
とにかくスライスが速い!感激。
1層目がちゃんと描けたところで おやすみなさい。
ハク姐さんが造形できた
おはようございます。さて、プリントはどうなったかな? ワクワク。うわぁあ・・・
寝ている間にハク姐さんがセラス・ヴィクトリアになったかと・・・棺桶で眠るアンデッド。
右側の倒れた四角柱がPrime Pillar、モデルを覆って見えなくしているのがOoze Shieldです。
Ooze Shieldはきれいにモデルを覆ってくれるんですね。
Prime Pillarが途中で剥がれたようです。ノズルがぶつかったんでしょう。行き場の無くなったフィラメントはOoze Shieldにくっついてます。おかげでハク姐さんは守られたかも。Ooze Shieldの重要性を再確認。
フィギュアのようなものを造形するときはPrime Pillarを作る場所を顔から遠ざけた方が良いですね。次回は足の方に置こう。
Ooze Shieldを剥がしてみます。ちゃんとできてるかな?
PolySupportのもろい薄皮をパリパリ壊す感覚・・・クセになる・・・。なんだろう・・・あれだ・・・セミの抜け殻、かんなの切りくず、餃子の羽。ウエハース食べたくなってきた。
簡単にOoze Shieldが取れました。ところどころ本体にくっついてました。アホ毛は・・・ある!
ですが・・・
うっぅ・・・ 頭蓋骨? 頭に大きな穴が空いてます。よく見るとあっちこっちに穴が。
やはり吸血鬼にやられたようです。アンデットになれずグールに・・・という事は・・・下ネタ自重。
造形サイズは前回の記事Slic3rのサポート設定をいじりながらハク姐さんを造形してみたと同じです。
層厚が0.25mmと0.2mmから厚くなっています。そのため滑らかさは無くなると思います。
体のあちこちに穴が空いてしまいました。
Slic3rではSTLにエラーがあるとすぐに判るんですけど、SIMPLIFY3Dではエラーはどうやって知るのかな。眠かったんで確認しなかった。
STLデータのパーツの境目が隙間になっている気がします。腰から上下に分かれたり、頭と髪の毛が分かれたりしているデータのようです。SIMPLIFY3DにはSTLデータの修正機能もありそうなので原因を切り分けたいです。
台となる円盤のオーバーハング部分ですがきれいにできてました。今までで一番ちゃんとした円になってます。
サポートを剥がしてみます。
バリバリ
前回の時はサポートもABSで作り、サポート除去に1時間かかってやっと発掘できる状態でした。
今回のサポートはPolySupportというサポート専用の壊しやすいフィラメントです。そしてサポートを外しやすいと噂のSIMPLIFY3Dのサポートです。
あれまぁ、簡単。数分でだいたい剥がし終えました。前回の苦労は何だったのか!
穴が見えない角度で・・・
上の写真では見えない背中側は酷いことになっています。サポートが柱となりブリッジになる部分がぐちゃぐちゃです。ここら辺は造形速度を少し上げてしまったのが影響したかもしれません。ブリッジを綺麗に作れるギリギリの速度を探していかなくては。
前回のプリントと並べてみます。
左:前回 右:今回 |
左が前回(Slic3r 層厚0.2)、右が今回(SIMPLIFY3D 層厚0.25)のプリントです。並べると前回の方がにきれい・・・。ちょっとフィラメントの垂れが多いかな。設定値の調整にかけた時間が比べ物にならないですからね。造形時間は前回の2/3ほどの4時間ちょっとでした。
サポートはSlic3rでは面で支える感じです。SIMPLIFY3Dでは点で支える感じ。背中側は前回のプリントの圧勝です。ですがオーバーハングの綺麗にできている場所だけ見ると今回のほうが滑らかさで勝ってます。前回のはサポートを剥がした痕で面が荒れた感じです。
まぁ今後の調整ですね。
サポートはSlic3rでは面で支える感じです。SIMPLIFY3Dでは点で支える感じ。背中側は前回のプリントの圧勝です。ですがオーバーハングの綺麗にできている場所だけ見ると今回のほうが滑らかさで勝ってます。前回のはサポートを剥がした痕で面が荒れた感じです。
前回は目の上に無駄なサポートが置かれていました。それが無くなったので目の位置が判ります。
まぁ今後の調整ですね。
サポート材も好きな場所へ簡単に設置できます。おかげでアホ毛をやっと作る事が出来ました。
アホ毛重要。
Slic3rで設定項目を概略理解していたとはいえ、買って半日ほどでここまで造形できるとは。SIMPLIFY3Dを買ってよかったと思います。
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