3Dプリンタで初めて造形してみた


ボンサイラボのBS01+という3Dプリンタを購入しました。
そしてやっと初めての造形に挑戦しました。
楽しい~!

3Dプリンタが欲しいと思っている方も多いと思います。3Dプリンタについては何も知らない私が初めて造形するまでの流れを書いてみます。



3Dプリンタが欲しいと1年くらい思っていいましたが、ついに買ってしまいました。
価格の安い3Dプリンタも多く出てきました。いったいどれを選べば良いのか?わからない事だらけです。こんな風に悩んでいる方も多くいると思います。

私はコンピュータや機械の知識なら問題なく対応できると思っていますが、3Dプリンタの造形材料の知識は全くありません。化学がとても嫌いですし・・・

3Dプリンタを選んでみる

造形する材料がABSやPLAの物が安い

3Dプリンタと言っても、作れる材料により3Dプリンタの価格が全く異なります。安く手軽な3Dプリンタは樹脂を材料に使えるものになります。10万円程度のプリンタでは15cm立方程度の大きさの物を造形する事ができます。
造形の際に出る廃棄物は樹脂だけであり処理に困る廃液や体に悪い揮発性ガスを出す事がありませんので家庭で3Dプリンタを試すならこの方式にする事になるでしょう。とはいえ樹脂を熱して柔らかくする時に少しだけガスは出ます。

樹脂の種類はABSとPLAという物が使われるようです。どう違うんでしょうね。固さとか曲げやすさとか違うようですが実際に使ってみるまで違いが実感できませんよね。

専用カートリッジの物はやめた

最近は安い3Dプリンタが沢山出てきてどこのプリンタを買えばよいか判りません。どうやって買うプリンタを決めたら良いのでしょうか?アマゾンにも沢山のプリンタが並んでますけど、評判を見るとどれも不安になる事が多く書かれています。
つまり3Dプリンタはまだ開発途上の技術でまだどのプリンタも買って帰って電源を入れれば動かせるものになっていないという事のようです。

そしてプリンタと言えば消耗品です。インクジェットプリンタのインクの方が本体より高くなったりするのはご存じでしょう。3Dプリンタもそういったビジネスモデルに早くもしたがっているようです。
造形材料を専用のカートリッジに入れて、簡単にセッティングできます! と言ってます。専用の材料で確実に造形できるなら文句はありませんが、そうでも無さそうです。
発展途上の分野ですので新しい材料も次々と開発されているようです。そんなものも試して遊びたいと思っているなら、専用カートリッジになっている3Dプリンタを買うわけにいきません。
と、いろいろな会社の3Dプリンタを見比べていると思ってきました。

Bonsai Labのにした

変に完成品っぽくした3Dプリンタを除いていくとBonsai Labの3Dプリンタへたどり着きました。ホームページをざっと見ると3Dプリンタをたくさんの人に使てもらいたいという思いを感じました。
まだまだ発展途上ですからたくさんの人に3Dプリンタを理解してもらいみんなで良いものにしたいという感じです。
facebookのコミュニティを育成して3Dプリンタの調整の仕方や材料の使い方などの情報を共有しより良い方法を探していこうとしているようです。私は好きですね。こういう試行錯誤の黎明期的な感じ。ところで私はfacebookはやってないんですけど・・・

ビジネスっぽくない所は逆に心配になってしまいます。ロボットブームが一瞬で過ぎ去った時の事を思いだします。やっぱり消耗品ビジネスは重要です。

組み立てキットか完成品を選べる

bonsai lab.さんの3Dプリンタは組み立てキットと完成品を選ぶ事ができます。bonsai lab.さんでは組み立てキットで自分で組み立てる事を薦めているようです。紙のプリンタのように買ってくれば誰でもすぐに印刷できるという製品ではまだありません。3Dプリンタでのトラブルへ対処は基本的に自力で解決する必要があります。そのため、3Dプリンタの構造をより多くの人に理解してもらいたいという思いがあるようです。

しかしながら、私は完成品を注文する事にしました。こういった物は長年いじってきているので部品を見れば仕組みも構造も判ります。何よりめんどくさがりだったりしますので・・・。
まったく機械の知識が無い方はできれば組み立てキットを自分でゆっくりと組み立てた方が良いかもしれません。とにかくちゃんと造形できない場合は自力解決するしかありませんので、仕組みの理解は必須です。

でもそんなに難しくかまえなくともbonsai lab.さんはとても詳しいマニュアルやコミュニティがありますので、bonsai lab.さん扱いの材料を使っている分には先達たちのノウハウを分けてもらえるでしょう。

アマゾンで組み立てキットを購入する事ができます。
完成品はボンサイラボのサイトから注文する事ができます。

そしてPLA専用のモデル、ABS専用のモデル、PLA,ABS両方対応のモデルを選べます。何だかわからないから両方対応のモデルを選んでしまうでしょう。

さらにDUALモデルというのがあります。これは造形用樹脂を出すヘッドを二つ持つモデルです。つまり2種類の樹脂材料を同時に使えます。これまたどっちが良いのでしょうか?どうやら2つのヘッドを同時に使うのはいろいろ難しい所もあるようです。初心者は一つのヘッドを使うので手一杯になるようです。シングルヘッドのモデルを買っても後でデュアルヘッドへ改造できるパーツも売っています。と・・・ここらへんで考えるのがめんどくさくなってきて、私はデュアルモデルを買いました。

3Dプリンタと一緒に買ったもの

3Dプリンタと一緒に造形の材料となるフィラメントも買っておきましょう。フィラメントが無くては造形の調整もできません。フィラメントはアマゾンで扱ってないんですね。
良く判らないのでPLAとABSを1つづつ好きな色でそろえましょう。

BuildTakというシートも買っておきました。3Dプリンタの最初の問題として、一番最初の1層目を印刷する時造形台にきちんと固定されない、あるいは造形した後に台から剥がれないというのがあるようです。これは先達たちの知の結晶であるBuildTakを買っておきましょう。

後は良く判っていないのでここでポチッと押して物が届くのを待ちます。

3Dプリンタが来た

待つこと1週間半。3Dプリンタが来ました。


大きな箱と小さな箱の2つできました。


正面と背面の様子です。完成品を買いましたが背面には造形材料のフィラメントを送り出すフィーダーを自分で付けなくてはなりません。


フィーダです。デュアルモデルを買ったので2つあります。本体の背面に取り付けます。


2つのフィーダは形が異なります。1st, 2ndと目印の書かれたテープが貼られています。
マニュアルに詳しく書いてあるので心配する必要はありません。

動かす準備をする

それではすぐに何か印刷してみましょう。
とはならないのが3Dプリンタのむずかしい所です。物は来たけど何をどうしたらよいか判りません・・・
まずは電源も入れずパソコンへも接続せず100ページくらいあるマニュアルを最初にゆっくり目を通しましょう。そして、これからやる作業の流れをイメージしましょう。
マニュアルは詳しいのですが作業の流れが前後するような書き方の部分があります。ざっくりと流れを書いておきます。

まずはパソコンにドライバと制御用ソフトをインストールします。そして、BS01と通信できる事を確かめます。通信できれば実際にBS01のモータを動かして、各軸の動きが滑らかか確かめながらグリスを塗ります。
動きに問題が無ければヘッドの温度調整と造形テーブル(ベッド)の温度調整が正しく行われるか確認します。
温度の調整に問題なければヘッドのノズルの締め増しをします。
そして、ヘッドとベッドの隙間の調整をします。

これで本体の準備は完了となります。
この過程で制御ソフトにいろいろなパラメータを設定していくのですが、ちょっとマニュアルの表記に統一感が無く設定する項目が判らなくなる事がありました。

ちょっとはまった

私の場合、制御ソフトからコマンドを送ってもモータが全く動かなくて困りました。原因はシリアル通信の速度を決めるボーレートの設定を間違えたためBS01とパソコンの通信がまったくできていなかったからです。
こういった通信ものはたくさんいじった経験があるので最初からボーレート設定は意識していたのですが、マニュアルのどこにも書いてないなぁ と思いながら作業をしていました。実際は図のソフト画面の中に書いてあったのですが通信の重要な項目がまさかテキストで書いてないとは思いませんでした。

これに関連して制御ソフトRepetierでプリンタ通信を開始するとログ画面が出るとマニュアルに書いてあるのですが、そんな画面どこを探しても出てきません。そのため通信が正しくできているか確かめる方法が判らずにいました。1時間くらい悩みながら作業をしていて、やっとログ画面の出し方が判りました。
RepetierにはEasy Modeというのがあり、インストール直後はEasy Modeとなっています。Easy Modeではログ画面は消えてしまい、表示させるボタンも消えています。画面右上のボタンをクリックしてEasy Modeを解除するとログ画面を表示させるボタンが表示されます。

小物を準備する

せっかく買ったBuildTakシートを使ってみます。その他あったら良い物をホームセンターへ行って買って来ました。

造形テーブルにはポリミドが貼ってあります。BuildTakシートはポリミドよりミスの少ないシートという事らしいです。しかし、ポリミドの上にそのまま貼り付けるのは良くない方法のようです。
マニュアルにはステンレスか銅板を別に用意してそれに貼れと書いてあります。なぜなのでしょうか?

どうやらポリミドなど従来の造形テーブルでは樹脂がうまくベッドに貼り付かず1層目が作れない、途中で剥がれるという問題があるようです。BuildTakを使うと今度は貼り付きすぎるようです。つまり剥がす時に力が必要。強い力で剥がそうとすると造形テーブルに無理な力が加わります。これを避けるためBuildTakシートを別の板に張り付けて造形テーブルにクリップでとめるようにしているようです。造形が終わったら造形テーブルから外して思う存分剥がすという事のようです。
造形テーブルのヒータの熱が伝わらないと意味が無いので熱伝導の良いステンレスや銅の板を使うようです。

ちょっと引っかかっていたんですよね。平面度が重要なはずなのに何でクリップ使うの?と。今も試行錯誤の真っ最中ということですね。

という事が判ってきたのでホームセンターへ買い出しに行きました。銅板を探して・・・お、あったあった。・・・値段を見て・・・そっと戻しました。


アルミ板を買ってきました。しかも0.5mm厚・・・。だって値段が一桁近く違うんだもの。
安いスクレーパーも買ってきました。先に書いておくとスクレーパーは役に立ちませんでした。金属製を買いましょう。


切りやすさも薄いアルミ板を買った理由です。カッターで溝を作って2・3回折り曲げると切れます。BuildTakシートを貼って準備完了。

一応ケープも買ってきました。

造形テーブルの上にアルミ板が載るので、ヘッドとベッドの隙間調整をやり直します。

初めての造形

やっと造形です。フィラメントの封を切ります。


PolyMax PLAのホワイトです。まずはシングルヘッドで練習です。
フィラメントを通すのに手こずりました。どこを通せばいいか判ってない・・・。
ヘッドの温度を上げて押し込むとにゅるにゅる出てきます。おもしろい。

と、完成品を買ったにもかかわらず調べて準備するのに疲れました。
フィラメントには温度などの仕様が書いてありますのでRepetierのパラメータを再確認しつつフィラメントの登録を追加します。
とはいえ今の知識では温度をどうすれば良いのか判りません。
まずは何か出して経験を積むしかないですね。

という事でマニュアルに従い初造形開始!スマホスタンドを半分の大きさにして印刷時間を短くしました。


モータがウニュウニュとファミコンっぽい音を出して動きます。どうやらそれっぽく動いているようです。一安心です。この時の動きを見ているのはとても楽しかったです。組み立てキット作った人はもっと感動するでしょうね。


初造形 終わったようです。


クリップを外してBuildTakシートごと外します。
シートから剥がそうとしますが・・・剥がれない。かなりしっかりついています。買っておいたプラスチックのスクレーパーでは歯が立ちません。仕方ないのでカッターを使って慎重に剥がしました。


これは・・・事件現場。
一応形にはなってますね。ところどころはみ出てる。


よりきれいに出力するにはどうしたら良いのだろう? 条件変えて失敗作を作っていくしかないですね。

もうちょっと面白そうなのも出力してみたい。


たまねぎ。


たまねぎではなく2軸のジンバルです。ちゃんと動いた。面白い。

調子に乗って難易度の高そうなのを出力してみる。


場所によって隙間が異なってできてしまいます。線の太さが異なっているのが判りました。ヘッドとベッドの隙間が場所によって違っているようです。シートが浮いているようです。


薄いものは剥がすのが大変だと良く判りました。
隙間の広い場所は△パーツがすぐに外れてしまいます。隙間が狭かった場所は曲げる事ができません。本当は球形に組み合わさるようです。出力チェックに良さそうなモデルでした。

3Dプリンタは楽しい

出来合いのモデルを出力しただけですけどとても楽しかったです。どうすればもっと良い出力が得られるか試すのも楽しそうです。

出力がうまく使えるようになったら次は自分でモデルを作って行きたいですね。

まずはノズルとベッドの隙間を正確に合わせられるように隙間ゲージを買いに行く事にします。そして、シートをもっと平らに貼る方法も考えないといけません。

ゴールデンウイークが足りない!

コメント

  1. (´・ω・`)コスト高いだろうけど色んな意味で、未来が期待できる<3Dプリンタ

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  2. インクジェットプリンタみたいに安くきれいな出力ができる未来がきますよ
    ヽ(^。^)ノ

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