Slic3rを使ってブリッジを造形する練習をした

Slic3rを使い始めてやっとパラメータの意味が判ってきた気がします。
今回はそのパラメータの中でもSpeed項目のBridgesに焦点を当てて練習をしてみました。

さり気に重要な設定だと後で解りました。



私はRepetier-Host V1.0.6を使っています。スライサはエンジンとして入っているSlic3r Ver.1.1.7です。

層の積み上げが単純なモデルの造形はそれなりにできるのですが、オーバーハングで支えが下層にない部分や橋になっている部分などの造形はめちゃくちゃです。このような部分の造形にはヘッドの温度、造形スピード、フィラメントの押し出し量、気温などの関係が重要なようです。

今回は橋のテストモデルを造形して設定の勘所を把握したいと思います。

テストに使うモデルは Bridge Torture Test です。
Slic3rで最も関係ある設定項目は"Print Settings"の"Speed"の"Speed for print moves"の"Bridges"です。


橋脚に橋げたが架かっています。橋げたの長さは5cmあります。もちろんサポートなしで造形します。

容易に予測できるのは橋げたの部分でABSが垂れ下ってしまうことです。橋げた1層目の造形に失敗すると当然その上はぐちゃぐちゃになります。
このモデルでは橋の上の円の造形ができるかが第一関門です。

造形する材料はABSでヘッドの温度は215℃にしました。
まずはBridges=30mm/sで造形してみます。

橋げたで材料が垂れ下る
思っていたより形になったのに驚きました。もっとダメかと思っていました。橋の上の円もできています。
橋げたの1層目は1本、2本とうまく架ける事ができたようですが冷えたフィラメントの収縮に従い反ってきたようです。そしてノズルにぶつかり完全に壊れたようです。
その後は生き残った一層目を頼りにリカバリーしているように見えます。
橋げたの裏を良く見てみましょう。


やはり橋げたの1層目が壊れています。2層目は意外としっかりできています。

さて、この状態から何を変えていけばより良い結果が得られるのでしょうか?
とりあえず橋げたを架ける事はできているのでヘッドの温度を替える必要は無さそうです。フィラメントの押し出し速度を変えてみたいと思ったのですがSlic3rでの設定がどこにあるか判ってません・・・。
そこで、このような形状の部分に直接影響しそうな名前の"Bridges"を変えて様子を見る事にしました。先ほどはBridges=30mm/sでしたが、次は
Bridges=15mm/s と半減させてみました。早速造形してみます。


おっ、かなり良くなりました。反りによりノズルにぶつかることが無かったようです。
橋げたの裏側も見てみます。


ちょっと汚いですね。橋げたの1層目の1本1本が分離しています。層間でも剥がれがあります。

そもそもBridgesの速度を下げた事の何が良かったのでしょうか?この考察によって次の手も変わってきます。
橋げたのような場所を造形するにはノズルから出た材料がすぐに固まってくれないと垂れてしまいます。移動速度を下げた事で冷えるのに十分な時間を確保できたと考えられます。
その副作用として隣の材料との接着力、上の層との接着力が弱くなったと思われます。ヘッドの温度を上げると改善しそうですが、材料の冷える時間が変わってしまうためまた振り出しに戻る事になりかねません。
とにかく条件を変えて試すしかないですね。今日のところはこの辺で終わります。

このテスト造形をしてやっと理解したことがあります。
Slic3rの充填率の設定についてです。Cura Engineに比べデフォルトの充填率が高いので造形に時間がかかっていました。そこで充填率を下げました。すると中身がスカスカになるのは良いのですが立方体の天井に支えが足りず垂れ落ちてしまいました。

これは今回テストしたようなブリッジの形成ができなかったためです。天井を作る事ができないのです。
今回の練習で充填率を下げる見込みが立ち造形時間も短縮できそうです。l


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