ビデオカメラでライブ配信をしたいのでHDMIキャプチャ機器を調べた

HDMI_Capture_FEBON238H
USBカメラの映像をライブ配信する方法をいろいろ試していましたが、カメラの性能が悪いのが気になります。
ならば良いカメラを使えばいいじゃないか。カメラのHDMI端子からの映像をコンピュータでキャプチャして配信するために、HDMIキャプチャを調べてみました。主に屋外で使う場合を想定しています。


ライブ配信をする時にUSBカメラ以外のカメラが使えればいいなぁ、と半年ほど考えていました。
家庭用のビデオカメラが使えると超望遠や手振れ補正が使えます。デジタルカメラが使えると露出や絞りの効果を使った映像が撮れます。

カメラとコンピュータをつなぐ方法

HDMI端子を使う

カメラをコンピュータにつなぐにはどうすれば良いのでしょうか。
ビデオカメラはテレビにつなぐためにHDMI端子が付いているでしょう。このHDMI端子の映像をキャプチャできるといろいろなカメラをつなぐ事ができます。
そのためにはHDMIキャプチャという機器が必要になります。

ネット接続を使う

IPカメラを使えばすぐにコンピュータへ映像を送ることができます。IPカメラはカメラの映像をネットワーク越しに見る事ができるカメラです。主に監視カメラに備わっています。

最近のカメラはスマートフォンでライブビューを表示して録画をスマートフォンからコントロールできるものがあります。WiFiを使って映像をスマートフォンへ送っているのです。カメラのアプリによってはこのライブビューの映像をそのままライブ配信する事ができるものがあるようです。

WiFiでつながるとカメラだけ独立させた状態でライブ配信を行う事ができます。防水が必要なマリンスポーツにはとても魅力的です。

GoProの古い機種は簡単にネット越しに映像を見る事ができました。ですが新しい機種になると専用アプリでしか見れないようになってしまいました。APIを解析して無理やり見る方法もあるようです。
いっそGoProクローンな中華カメラの方が簡単に見れそうです。

ソニーのデジタルカメラやビデオカメラにはCamera Remote API beta SDKというカメラをコントロールするAPIが公開されています。これを使うとネットから撮影やライブビューを見る事ができるようになります。
しかしながら、最新機種の対応が遅かったりAPIを続けて使ってもらおうという感じがしません。

ネットでつながってライブビュー映像を見る事ができたなら、ffmpegやvlcを使ってYouTubeやFacebookへライブ配信する事ができます。

ですが、WiFiを使ったカメラはバッテリーの消費が激しいようで苦労の割に実りが少なそうです。使える機種もはっきりと判りません。カタログを見るだけではできるかできないか全くわからないのです。

HDMIが汎用的

今のところ現実的な方法はHDMI端子の映像をキャプチャする方法のようです。このため、防水にする事は出来なくなってしまいます。ですが、接続できるカメラがとても多くあるので遊び甲斐があるでしょう。

HDMI接続でコンピュータに映像を取り込むにはHDMIキャプチャ機器を使います。最近ではゲームプレイを配信する人用に多くの製品が出ています。PS4などの映像をキャプチャするのに使われています。

HDMIキャプチャ機器はパソコンとの接続方法が大きく2つあります。デスクトップコンピュータの拡張ボードに挿すボード型のものと、USB端子で接続するものです。
今回は屋外で使う方法を検討するので小型コンピュータで使えるUSB接続のHDMIキャプチャについて調べてみます。

USB接続のHDMIキャプチャ機器

ゲーム配信に使う場合は映像の遅延などを気にしますが、カメラ映像をライブ配信する分には遅延が問題になる事はほとんどないと思います。
屋外で使用する事を考え、USBバスパワーで動く、モバイルバッテリーを電源に使える、大きさが小さいなどを考慮してどんな危機があるか探してみます。

コンピュータはWindowsパソコンを使う事を想定した機器がほとんどのはずです。
これの他にLinuxで使えそうな機器を選択します。このため、UVC(USB Video Class)に対応している機器を探します。Raspberry Piで使えたらいいなぁという思惑です。
Windows 10ならばカメラアプリで映像をすぐに見て録画する事ができるでしょう(私は試していません!)。Linuxパソコンでも簡単に認識するでしょう。Androidスマートフォンでも使えるかもしれません。Macに関しては私には知識が無いので考慮しません。

AVerMedia Live Gamer Portable 2 AVT-C878



ゲーム配信用のHDMIキャプチャです。マイク音声のミキシングができます。
USB2.0接続です。UVCに対応しています。1080p(60fps)まで対応しています。
USB2.0接続のため無圧縮の転送では720pまでしかできないはずです。ですが、ハードウエアによるh.264形式の圧縮機能が搭載されているためUSB2.0接続でも1080pのキャプチャが可能となっているようです。SDカードへ直接録画する事もできます。

とても魅力的な製品です。ゲーム配信用なので遅延も少ないようです。USBバスパワーの他に電源を必要としませんので持ち運びも簡単です。

h.264の圧縮が魅力的に見えたのですが、UVC接続時の扱い方がわかりませんでした。UVC接続したら中身のh.264のデータをどのように取り出すのか?という情報が見つかりません。少なくとも簡単に取り出せるような記述は見当たりませんでした。
もしも簡単に取り出せるならば、そのデータをそのままライブ配信してしまえるのでは?なんて期待したのですが。
Windowsパソコンで使う場合も、パソコンでエンコードし直してからストリーム配信しているようです。あくまでUSB2.0の帯域幅でフルHDを送るためにh.264を使って圧縮しているとしか読めませんでした。
Raspberry Piに接続しUVCとして見た時にどのような圧縮形式として扱えるのか?肝心な情報を見つける事ができませんでした。無圧縮で720pを得られるだけでもいいんですけど、そういった事がわかりませんでした。

Windowsパソコンでしか使わないなら、これでいいんじゃないかと思います。

FEBON FEBON168 HDMIバージョン



シンプルなHDMIキャプチャです。HDMIをUVC接続するためだけの機器です。
USB2.0接続です。
mjpegなら720p30fps。無圧縮なら720p10fps。

必要十分な機能のHDMIキャプチャです。UVC接続なので普通のUSBカメラとしてHDMIの映像を得ることができます。
あくまでキャプチャ機能だけのため、専用の録画アプリも配信アプリもありません。汎用のUSBカメラと同様に使えるというだけです。USBカメラを使うアプリではそのまま使える可能性が高いです。
価格も安いため、フルHDの必要が無い場合はこれで良いと思います。

FEBON FEBON238H



先のFEBON168の上位グレードです。
USB3.0接続です。USB2.0でも使えます。HDMI機器をUVC接続するだけの機器です。
USB3.0接続ならmjpeg、無圧縮ともに1080p30fpまで対応しています。
USB2.0接続ならmjpegで1080p30fpまで対応しています。

フルHDのキャプチャができるHDMIキャプチャです。60fpsには対応していませんのでアクションゲームの配信・録画には向かないでしょう。
USB2.0で1080p30fpsに対応しているようですがUSBの帯域幅を目いっぱい使う事になる点に注意しましょう。USBハブで他のUSB機器と接続を共有するような使い方をすると本来のキャプチャができないでしょう。

発熱対策のため金属の筐体になっているそうです。長時間使用で安定して動作してくれると期待できます。

参考:SKNET MonsterX U3.0R SK-MVXU3R


USB3.0接続専用のキャプチャです。1080p60fpsまで対応しています。マイク入力ができます。
UVC対応とはどこにも書いてありません。

ストリーム配信機器

HDMIの映像をそのままネットワーク配信までしてくれる製品があります。ネットワーク配信の難しい事を知らなくてもすぐに配信を始める事ができるので便利ですね。ビデオ撮影事業者向けという感じですが比較的安い製品もあるので気になります。

FEBON LiveCore



有線LAN接続のみです。入力出力とも1080p 60fpsに対応していますが非推奨のようです。4つのストリームを同時に送ることができます。

お値段が魅力的です。モバイルバッテリーで動かせません。

Cerevo LiveShell 2 CDP-LS03A



http://static-shell.cerevo.com/s2/ja/product.html
有線LANとIEEE 802.11a/b/g/n/acに対応しています。バッテリーを内蔵し最大3.3時間の配信が可能だそうです。入力は1080iまでです。ストリームは720pになるようです。

ビデオカメラでライブ配信をするには小型でお値段もそこそこの良い製品です。配信ビットレート/フレームレートなど、どの程度いじれるのかはっきりわかりませんでした。

まとめ

HDMIキャプチャで気になった製品をまとめてみました。

LiveShell 2はお手軽で持ち運びも便利でとても魅力的でした。屋外でモバイル通信を使う想定だと、配信ビットレートを抑えた設定がないと実質使えません。
モバイル通信では1時間で1GB弱のデータ量を考えています。映像では1.5Mbps程度のビットレートを想定しています。これ以上多いとデータ通信量が多すぎる感じだし、実効速度も怪しくなるでしょう。1.5Mbpsで720pの映像を送るとなるとビットレートが不足しているのは明らかです。そこでfpsを落として誤魔化します。何の映像かにもよりますが最低12fpsは欲しいところ。
こんな感じの設定がLiveShell 2でできるのか良くわかりませんでした。取説などを見る限りはできないっぽい。これはLiveCoreも同様な感じでした。間違ってたらごめんなさい。
固定回線が使える場合なら良さそうですね。単純にエンコードして送信してしまいますからゲーム配信には向かないでしょう。

ライブ配信機能のないHDMIキャプチャを使う場合はどうしてもコンピュータが必要になります。屋外で使う場合はRaspberry Pi 3を使うつもりでいます。するとUSB2.0接続です。エンコード速度的に720pで10fps出ればいい方でしょう。絶妙にモバイル通信のデータ量とバランスが良い感じです。

もう少し高画質にライブ配信したい場合はパソコンを使うしかないでしょう。できればインテルCPUのハードウエアエンコーダQuick Sync Videoが使える小型PCを用意したいところです。

結論として、FEBON238Hを購入しました。

FEBON238Hの使い勝手などを次回書いてみたいと思っています。
実際にキャプチャしたビデオをいくつかYouTubeへ上げています。

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