Raspberry Pi High Quality Cameraとラズパイのデジカメ型ケースをFreeCADでデザインして3Dプリンタで作りました

タイトル
デジカメ型ケースをFreeCADで作りました。


前回はRaspberry Pi High Quality Cameraの撮影サンプルを紹介しました。

Raspberry Pi High Quality Cameraを組込むデジカメ風ケースを作って持ち運べるようにしました。今回はそのケースの紹介です。

FreeCADでデザインします。
ケースをデザインする前に、ケースの中へ入れるものの簡易モデルを作ると作業が捗ります。正確なモデルは必要なく、ネジ穴の位置や径、コネクタの位置と大きさ、サイズや他の物と干渉する領域がわかる物を作っておきます。
簡易モデル
簡易モデルで部品の配置を決めます。タッチモニタはRaspberry PiのGPIOコネクタに挿すのでRaspberry Piを配置するとタッチモニタの位置は当然決まってしまいます。
次にカメラモジュールの位置を決めます。Raspberry Piの配線やネジの頭にぶつからない場所にします。

あとは固定する方法に合わせてケースの形を作っていきます。
基本配置とケース
今回はRaspberry Piを固定するベース部分と、モニタ側の蓋、カメラ側の蓋の3つの部品に分けて作りました。
ベースと蓋となる部品はファスナーを作って固定することにしました。
ファスナー
ファスナーの爪のサイズが小さいので折れやすいのが難点です。良いファスナーのデザインができれば良いのですが今回はこれで妥協します。

FreeCADでのモデリング

FreeCADはフリーで高機能な3D CADです。ですがユーザーインターフェースは親切とは言えず初心者には難しいCADだと思います。
3次元モデルを作っていく方法が何種類かあるのですが、FreeCADでは大きく2種類の異なる方法が使えます。
Constructive solid geometryという方法とPartDesign Featureという方法です。全く異なる2種類の方法が何となく両方使えてしまうというのも混乱する原因です。

Constructive solid geometry

Constructive solid geometry (CSG) is a modelling paradigm that is used in many traditional CAD systems. It essentially consists of using primitive solid objects and doing boolean operations with them, such as fusion, subtraction and intersection, in order to create a final shape.
この方法は単純な形の立体を足し算引き算して作っていく方法です。積み木のように作っていくイメージです。足し算は積み木を重ねます。積み木と異なるのは引き算ができる点です。
ある場所にネジ穴を空けたければ、最初に円柱を用意して引き算します。
足し算引き算なので順番の入れ替えや新しい立体の追加が後からでもやりやすいです。
OpenSCADも同じような手順でモデルを作るのでOpenSCADと相性が良いです。Pythonでも基本となる図形を作る事ができます。

PartDesign Feature

A PartDesign Feature refers to a "step" in the modelling process that happens inside of a PartDesign Body. For example, each time you add a solid box with PartDesign AdditiveBox, you add a feature; when you add a chamfer to an edge with PartDesign Chamfer, you add another feature; when you cut a hole using a sketch and PartDesign Pocket, you add another feature.
これはAUTODESK Fusion 360のようなモデリング方法です(使ったこと無いけど)。
基本となる立体にどんどん特徴を与えていく作り方です。
特徴というのは、ある面のどこそこの座標に円形の出っ張りが高さ何センチである、とか、どこそこに深さ何センチで三角形の穴がある、とか、ある角は半径何々ミリで面取りしてある、とかいうものです。
基本的にひとつの立体に特徴を付け加えて目的の形を作るものです。FreeCADでは一つの立体が2つの立体に分離してしまうような操作は今の所できません。
特徴を一つづつ加えていく操作になるので、最初の頃にやった特徴を一つ消したいと思ったら、その特徴の後に加えた特徴は全て無効になってしまいます。直前の立体を変形させていくようなイメージだからです。やり直しが面倒です。
でも、ここにネジ穴が欲しい、ここは出っ張らせたい、などと頭の中のイメージを言葉で表すように作っていけるので理解しやすいです。

私も明確に違いを理解しているわけではなく、今回はPartDesign Featureでケースのモデリングを始めてみました。でも、ネジ穴の位置をちょっと修正したいとか、ケースのサイズを間違えていたとかの修正をすると、ほとんど一から操作をやり直さなくてはならない事が多かったです。
結局面倒になってConstructive solid geometryでモデルを作り直しました。Constructive solid geometryなら個々の立体は残っているので問題のある立体を修正する程度ですみます。

PartDesign Featureは頭の中に明確な完成イメージがあるときには良さそうです。今回のように試行錯誤で形を作っていく場合は後戻りができないので不便です。

まとめ

完成例

FreeCADを使ってRaspberry Pi High Quality Cameraを外で使えるケースを作りました。
Raspberry Piを固定するベース部分、モニタ部分とカメラ部分の3分割の構成です。

ケースのSTLファイルはこちら
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コメント

  1. What's up, just wanted to mention, I enjoyed this post. It was practical. Keep on posting!

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  2. こちらのモニタはどこで手に入りますでしょうか。

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    1. この記事で使い方など説明しています。
      https://signal-flag-z.blogspot.com/2020/10/raspberry-pi-elecrow-rr040i.html
      普通のHDMI入力です。Raspberry Pi専用ならDSIコネクタでつなぐモニタの方が良いかもしれません。

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    2. ありがとうございました!

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