Raspberry Pi Zero用の小さいバッテリーが欲しい 【PiSugar2】

タイトル

Raspberry Pi Zeroとぴったりな大きさで邪魔にならない大きさのバッテリー PiSugar2を使ってみます。


Raspberry Pi Zeroは小さくていろいろなところへ組み込んで使えそうに見えます。でもUSB電源が必要なので外で使ったり動くものに使うには工夫が必要です。
Raspberry Pi Zeroとモバイルバッテリー


モバイルバッテリーを電源に使ってもよいのですが、ラズパイゼロに比べてバッテリーが大きくてラズパイゼロが小さい意味が薄れてしまします。
何か良いバッテリーが無いかと探したところPiSugar2という製品を見つけました。早速試してみます

PiSugar2

ラズパイ用のバッテリーはいくつかありますが、サイズと使い勝手が良さそうに見えたのがPiSugar2です。PiSugar2はラズパイゼロと同じフットプリントサイズです。厚みは増えますが出っ張る所がありません。
重ねるとこうなります。
ラズパイゼロとPiSugar2

PiSugar2の特徴は
サイズはRaspberry Pi Zeroとぴったり重なります。
バッテリーは3.7V 1200mA リチウムイオンです。
RTC(リアルタイムクロック)を搭載していて指定時刻に電源を入れられます。
ボタンがあり、一回押し、二回押し、長押しにスクリプトを割り当てられます。
APIでバッテリーとRTCの状態を取得できます。I2C通信の2つのアドレスが使われます。
充電用USBケーブルを抜き差ししても電源が途切れません。

取付

ラズベリーパイの裏側に重ねてネジ止めします。ラズパイのGPIO端子に接触する電極があり、ここから電源とI2Cの通信が行われます。
ラズパイゼロにとりつけ
取り付けの時にバッテリーの電源スイッチがオフになっていることを確認してください。バネで押し当てる細いピンなので良く見て重ねましょう。端子が合ったらネジ止めするだけです。

ソフトウエア

ブラウザでバッテリーの状態を表示したりスクリプトの割り当てができるソフトウエアを入れます。
PiSugar / PiSugar | GitHub
PiSugar2 is designed for pi-zeros. Compatible with all pi0 series(pi0,pi0w,pi0wh), with/without GPIO headers.
ターミナルで次のコマンドを入れます。アップデートもこのコマンドでできます。
curl http://cdn.pisugar.com/release/Pisugar-power-manager.sh | sudo bash
インストールが終わったらブラウザから次のURLを開きます。
http://ラズパイゼロのIPアドレス:8421
するとバッテリーの状態表示と設定ができる画面が現れます。
ブラウザ画面
スケジュール起動の設定は時刻と曜日指定ができます。
ボタンにスクリプトを割り当てられます。
容量低下時のシャットダウン動作を指定できます。
リアルタイムクロックの時刻合わせができます。最初のRTCの時刻は合っていません。一回は合わせましょう。

ブラウザで表示されている事はコマンドで取得も設定もできます。
PiSugar / PiSugar | GitHub
PiSugar Power Manager is a software created for PiSugar 2 serises.
APIで充電の状態や電流値も取得できます。

バッテリーの持ち時間

APIを5秒毎に動かしバッテリーの状態を記録するスクリプトを作ってバッテリーの持ち時間を測ってみました。
バッテリー持続時間グラフ
一つはラズパイゼロで何も(スクリプト以外は)動かさないアイドル状態、もう一つはPi Camera V2.1の映像をmjpg-streamerでWiFiを使って送信しパソコンで表示した状態です。

アイドル状態では9時間弱まで動きました。思っていたより長い時間動きました。電流の平均は137mAでした。

mjpg-streamerを動かすと3時間半ほど動きました。電流の平均は350mAでした。

おおよそリチウムイオン電池の容量と同じでした。重い処理でなければ3時間は余裕で使えそうです。
使うプログラムを動かした状態で電流をモニタすれば何時間くらい使えそうか計算できるでしょう。

充電時間

充電時間も測ってみました。
PiSugar2充電グラフ
約30分で満充電になりました。USB電源をつなぐとすぐに残容量が数十パーセントになります。充電中の残容量は当てになりません。
2Aで充電していれば30分でバッテリー容量と同じ位になるので、充電の動作におかしなところはありません。

この充電時間は速いと思います。

充電ケーブルを挿したままでも満充電後は放電状態になり残量が80%になるまで再充電されません。このパーセンテージはAPIで設定できます。

APIの例

バッテリー残量の取得
echo "get battery" | nc -q 0 127.0.0.1 8423
バッテリー充電状態
echo "get battery_allow_charging" | nc -q 0 127.0.0.1 8423
リアルタイムクロックの時刻
echo "get rtc_alarm_time" | nc -q 0 127.0.0.1 8423
バッテリー再充電の範囲を90%にする
echo "set_battery_charging_range 90,100" | nc -q 0 127.0.0.1 8423

ケース

PiSugar2とRaspberry Pi Zeroを入れるケースの3Dモデルが公開されています。3Dプリンタで出力して使うと便利です。
PiSugar / PiSugar / model2 / | GitHub
PiSugarの電源スイッチやボタンスイッチが基板から剥がれてしまう事があるようです。小さな部品が小さな面積のハンダ付けで固定されているだけなので基板から剥がすような力が加わると取れてしまうでしょう。
ケースといっしょにボタンカバーも3Dプリンタでプリントして使えば変な角度でスイッチを押してしまう事が避けられて壊してしまうことも減るでしょう。

ビデオ


まとめ



PiSugar2はRaspberry Pi Zeroとぴったりな小型サイズで3時間以上動作可能なバッテリーです。
ラズパイゼロの小ささを活かすのにとても良いバッテリーです。どこでもラズパイゼロを使えるようになります。

リアルタイムクロックが搭載されているので指定時刻にラズパイの電源を入れることができます。時々動かしてすぐシャットダウンという使い方ならば、1週間以上動かすことも可能でしょう。このような使い方はラズパイ単体ではできません。

PiSugarはRaspberry Pi Zero用だけではなくRaspberry Pi 3 / 4用のPiSugar2 Proもあります。

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