Linear AdvanceのK factorを決める【Marlin Firmware】

タイトル

Linear AdvanceのK値を決定する方法を紹介します。
Marlin Firmwareを使う理由のほとんどはLinear Advanceを使う事にあります。Linear Advanceはノズル内の圧力をホットエンドの移動速度に合わせて最適な状態にする技術です。糸引きで悩んでいるなら使えるようにしましょう。
Linear AdvanceはPressure Advanceという場合もあります。ファームウエアによって異なります。Linear AdvanceはK値という一つのパラメーターで調整します。K ValueとかK factorとか書かれているでしょう。

このK値はフィラメント毎に異なる値になります。フィラメントの硬さ・柔らかさで異なる値になります。ですからフィラメントの数だけK値を求めなくてはならないのですが、ざっくり材質別、PLA/ABSなどの種類とメーカー別で決めても良いでしょう。フィラメントの混ぜ物で硬さが変わるので色が違えば硬さも異なりますがK値の違いはわずかでしょう。

で、K値はどうやって求めたら良いの? というのが今回のお話です。

Marlin Firmwareの方法

Marlinの公式ページにK値の決定方法が説明されています。キャリブレーションパターンをプリントして求めます。
Linear Advance
線を描く途中で速度を変えます。速度が変わるとエクストルーダーの押し出し量も変わります。速度が速くなる部分ではエクストルーダーの押出しが間に合わず線が細く描かれます。速度が遅くなる部分では押出しが少なくなるのが間に合わず線が太くなります。K値を変えるとこの部分が調整されます。K値が最適なら速度が変わっても線の太さは変わらなくなります。
このテストパターンを生成するページがこちら
K-factor Calibration Pattern
フィラメントに合わせたノズル温度、3Dプリンターの造形可能サイズ、K値を変化させる範囲などを入力してキャリブレーションパターンを描くG-Codeを生成します。
キャリブレーションパターンは1層目に描かれます。Z軸のゼロ点調整とベッドの水平をしっかりとらないとキャリブレーションパターンが描けないです。ベッドへの定着も問題です。PLAなら比較的簡単にキャリブレーションパターンを描けるでしょうが定着の悪いABSなどでは難しいかもしれません。

描かれたキャリブレーションパターンを見て線の太さが変わらないK値を決めます。

Ultimaker Curaのプラグインによる方法

スライサソフトウエアのUltimaker Curaのマーケットにキャリブレーション図形を呼び出せるプラグインがあります。いろいろなキャリブレーション図形があります。Linear Advanceのキャリブレーション図形も用意されています。
Calibration Shapes By 5axes
このプラグインの使い方の説明はここ
5axes/Calibration-Shapes | GitHub
Calibration Shapes
This plugin adds a menu to create some simple shapes to the scene (cube, cylinder, tube) and calibration sample parts. They are used most of the time to create some fast test parts and common calibration/test parts.
キャリブレーション図形の名前でWikiページへのリンクを辿ります。
Linear Advanceならここ
Linear Pressure Advance Tower
Sample part and Postprocessing script to calibrate Linear/Pressure Advance.
四角い箱のような図形を作ります。一層毎にK値を変えて造形します。K値を変えるにはPost ProcessingにSpeedTowerプラグインを追加します。プラグインのCommandでMarlin Linear Advanceを選択しK値のスタート値と変化ステップを設定します。
これでプリントされた箱の角を見るとフィラメントが多かったり足りなかったりします。綺麗な角ができている層の高さを測ります。
層の高さが何層目かを計算すればK値がいくつの時かがわかります。
おおよそのK値がわかったら、K値の範囲を絞り、同じK値で数層プリントするようにしてもう一度プリントするとより良いでしょう。

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