Windows 8.1で標準機能となるPCやスマフォの画面をワイヤレスでテレビに表示できるMiracastはARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jではまだ動かないようだ

 
タブレットやスマフォの画面をテレビに表示させたいときは時々あります。最近のテレビはHDMI入力が当たり前なのでHDMIケーブルでつなげば何とかなります。
これからはMiracastというのが普及しそうなようです。以前はWiDiと呼ばれていたものでWifiの電波を使ってテレビ用の専用受信機へ画像を送り表示させます。Windows 8.1、Android 4.2からMiracastと呼ぶ規格でOSとしては標準機能になります。

なんだかテレビ用の専用受信機が高価そうなイメージに見えますが実際は1万円もしない価格ですので試しに買ってみました。




私の周りでMiracastが使えそうなのはWindows 8タブレットのARROWS Tab Wi-Fi QH55/J、スマフォのXperia AX(Xperia VL/Xperia Vと同じ)、とHTC J Oneです。ARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jで動くのか? という点が気になってました。
それと、私のスマホはHTC J ButterflyなのですがMiracastと似た”HTC メディア コンパニオン”という機能があります。もしかしたら動かないかな?などと淡い期待を・・・

Miracastを使うにはテレビ側の専用受信機を用意しなくてはなりません。各社スマホの専用装置以外では以下の製品がお手頃そうです。

この中でも量販店で取り扱いが多そうなI-O DATAの「ミラプレ」(WFD-HDMI)を買ってみました。こういう製品は中身の主要部品が同じ場合が多いので買いやすさで決めました。
Miracastの機能の他にiOSのAirPlay相当の機能もあるそうです。また、DLNAレンダラとしても動くようです。

これらの専用受信機は電源をUSB端子からとるものが多いです。テレビにHDMIケーブルとUSBケーブルでつなぎます。「ミラプレ」にはHDMIケーブルとUSBケーブルが付属しています。
そしてパソコンやスマホとはWiFi電波でつながるので必要なケーブルはこれだけです。有線LANのコネクタがありますがMiracastを使うときは必要ありません。ファームウエアのアップデート時と"Media Player"モードでDLNAレンダラとして使うときに必要となります。

それでは自宅のテレビ Viera GT3につないで試してみました。
早速動きません! 何やら説明書通りの画面が出ますが反応がありません。機能がシンプルでボタンも表示もほとんどない機械の場合説明書に無い動作をされると途方にくれます。

時々テレビの画面に砂嵐が表示されます。デジタル時代になって久しぶりに砂嵐をみました。何故か新鮮。どう見ても正常動作ではありません。これはハズレを引いてしまったか? と落胆していました。
しかし、USBで動かす場合のお約束事が一つ残っています。USB端子一つでは電気が足りず動かない場合がある、ということです。まずは「ミラプレ」付属のケーブルをやめて違うケーブルに替えてみました。すると、症状がちょっと改善しました。砂嵐が起きていたタイミングで電源の電流が足りないよ、というようなメッセージが表示されるようになりました。
そこでUSBケーブルはやめてスマフォ用のACアダプタをつないでやると動き出しました。
しかし、動いたのは1時間ほど。USBケーブルを抜いて翌日もう一度試すと起動時の画面はでますがシステムを読み込む画面が表示されず画面はまっ黒のままになりました。
結局、初期不良が疑われるので購入店で交換してもらいました。
交換後はVIERAのUSB電源供給でも問題なく動いているようです。

気を取り直して、最初にファームウエアのアップデートをしておきます。設定モードの中でファームウエアのアップデートができます。LANケーブルをつないでやっておきましょう。私が試したときは購入時にすでに最新のファームウエアでした。

「ミラプレ」本体にはボタンが1つあり、これで動作モードを切り替えます。動作モードには設定モードがあるのですが「ミラプレ」本体では設定モードの中に入ることができません。パソコンやスマホで「ミラプレ」本体をWiFiのアクセスポイントみたいに繋ぐ(WiFi Directという機能)とブラウザで操作ボタン(十字キーみたいなもの)を表示することができここで画面のメニューを選ぶ事ができます。
あるいは最近のテレビではHDMIにつないだ他の機器を操作する機能があります。この機能でテレビのリモコンから操作する事が出来ます。Vieraの場合は十字キー、決定ボタンとサブメニューボタンが使えます。すでにBDレコーダなど他の連携機器がつながっているとリモコンの操作信号はそっちに送られて「ミラプレ」の操作はできません。「ミラプレ」の操作をする時は他のHDMIケーブルは抜いておきましょう。

Xperiaで試してみる

まずは確実に動きそうなXperiaを試してみます。
設定画面の"Xperia"から"スクリーンミラーリング"を選びます。
「ミラプレ」に相当する名前の装置が表示されたらタップして接続します。

すんなり成功しました。スマフォに表示している画面をスマフォで圧縮してテレビへ送信するのでスマフォにも負担がかかります。サクサク動いていた画面がちょっともたつく感じになります。
ぬるぬるスクロールしていたGoogleマップもカクカクにはなりますが簡単にテレビに表示することができました。
旅行先で明日のルートをみんなで確認するときなど便利そうです。

問題点が一つありました。「ミラプレ」のWiFiを見つけてくれない時があります。「ミラプレ」を交換してもらった後に試すとまったくWiFi Directの接続先を表示してくれません。接続先を探す画面が出ますが「ミラプレ」を見つけてくれません。「ミラプレ」側の電源を入れ直してもダメで、Xperiaの電源を一度切る必要がありました。

HTC J Oneで試してみる

"設定"から"メディア出力"を選びます。その後「ミラプレ」がWiFi Directで見つかります。タップししばらく待ちますが・・・接続する様子はありません。「ミラプレ」の画面でも接続しようとするそぶりがありません。
HTC J OneのWiFiが家のアクセスポイントと接続した状態だったので一旦切断してみます。HTC J OneのWiFiはなにも使っていない状態でもう一度試すと「ミラプレ」の画面は接続中の表示をするようになりました。が、その後も接続する事はありませんでした
どうやらダメなようです。
Android 4.2にアップデートされる日が来れば再度試してみたいと思います。

HTC J Butterflyで試してみる

設定画面から”HTC メディア コンパニオン”を選んでみましたがデバイスが見つからないようで接続できませんでした。
Android 4.2にアップデートされる日が来れば再度試してみたいと思います。

ARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jで試してみる

Windows 8.1 PreviewをインストールしたARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jで試してみます。
結論としては使えませんでした。

Miracastを使うにはWindows 8.1と8.1用のグラフィックドライバが必要なようです。ARROWS Tab Wi-Fi QH55/JにはまだWindows 8.1用のグラフィックドライバがありません。

タブレットからデバイスの追加を選ぶと「ミラプレ」を見つけてくれます。しかし、デバイスとして登録されるところまでいかず失敗します。

デバイスの追加で見つかる

登録はされない

他のパソコンはつながるのか?

miracastはWindows 8.1とWindows 8.1用のグラフィックドライバが揃えば使えそうです。正しく認識されるとプロジェクタデバイスとして現れるようです。

参考情報として「ミラプレ」ではありませんがPTV3000のRafael Rivera氏のブログを紹介させていただきます。
Windows 8.1 features Miracast wireless display tech, and it works well
Surface Proはつながりそうです。
インテルのグラフィックドライバはIntel HD Graphics 4000なら動きそうです。
Nvidiaのグラフィックドライバもまだ動かなそうです。

Windows 8.1の正式リリースごろには各社ドライバが揃うでしょうから様子をみるしかありませんね。

今のところの感想

仕事や友達との遊びの計画などでスマフォの画面をテレビに映したいと思った方は多いと思います。そんな願いをかなえてくれそうなMiracastですが、まだ安定した規格ではないようです。
「ミラプレ」がHTC J Oneで動かないとは思っていませんでした。こうなるとメーカーHPの動作確認済みの機種以外の方へはお勧めできないです。この点ではNETGEARのptv3000の方が良さそうです。
「ミラプレ」のiOSモードは試していませんがDLNAレンダラがちょっとお手軽に使えるようになった程度のようで、AirPlayを素直に使った方が良い気がします。

対応機種であればお手軽に大画面テレビにスマフォの画面を映せます。スマフォの画面を圧縮して転送する仕組みなので高解像度の動画をスムースに映すことはできませんが静止画なら余裕です。複数人でスマフォの画面を見たいときにはお手軽でとても良い機能です。
今後はパソコン・スマフォ共に標準機能になるようなので数年もしたらテレビやPCモニタにも標準の機能になるかもしれません。すぐに使いたい用途が無ければその時まで待つのが良いかもしれません。

私は画面の共有というよりスマフォの音楽をお手軽にAVアンプに送りたいというちょっと違った用途を目論んでました。AVアンプがBluetooth対応かDLNA対応ならこんなことしないんですけど・・・
「ミラプレ」のファームウエアのアップデートで動作状況が変わったらまた試したいと思います。

もう一つのポイントDLNAレンダラ機能は(もしかしたら)別の記事で試したいと思います。ちょっと対応フォーマットが少なすぎで試しようが無く困ってますが・・・

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