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WiFiのアンテナの向きはどうやって決めたらよいのか

WiFiルーターが壊れてASUSのRT-AC68Uに買い替えました。RT-AC68Uにはアンテナが3本あり
自由に向きを変えられます。実際のところアンテナの向きはどうやって決めたらよいのでしょうか?

結論としてはセオリーはほぼありません。納得いくまで向きを変えましょう・・・それでは記事にならないので私の試行錯誤の様子などを書いておきます。



アンテナが外付で向きを調整できる! という理由で購入したRT-AC68Uですが実際のところどうやってアンテナの向きを決めていったら良いでしょうか?

前回の記事大雪による停電でWiFiアクセスポイントが壊れたのでASUSのRT-AC68Uに替えた では内蔵型アンテナの指向性が判らないから外付けアンテナのRT-AC68Uを購入したと書きました。しかし実際のところアンテナの指向性なんてまったくわからないのです。というのは、WiFiの電波の波長は10cmほどと非常に短くアンテナとして理想的な環境とは程遠い状況で使われるのです。アンテナの近くに物が置いてあると理論的な計算とはまったく違った指向性になってしまいます。なによりWiFiルータ自体が障害物なのです。
10cmほどの波長というのはあらゆる身の回りのものが電波の障害物になります。波長より大きなものがあると電波は影響を受けてしまいます。ラジオなどの電波では波長が数十メートルから数百メートルなので身の回りのものは存在しないのと同じ扱いができるのです。ビルとか山の大きさが障害物となります。

そして モノポールアンテナの指向性に関してググってみてください・・・なんて書きましたが思いのほかWiFiルータのモノポールアンテナの指向性に関する資料が見当たりません。あるのは理想的なモノポールアンテナの指向性くらい。残念ながらそんな理想状態の指向性のわけはありませんので参考になりません。
目印になるものが無いとどうしようもないので理想的なモノポールアンテナを想定して、アンテナの向きと垂直な方向に電波が強く出てアンテナを軸としてドーナツ状に電波が出ていると解説するホームページもありますが、残念ながらそんな特性は望めません。ファンタジーです。

ではどうやってアンテナの向きを決めたら良いのか? 悩むくらいならアンテナ内蔵で見えない方が精神衛生上良いですし、メーカーも答えの出せないサポートをしなくて楽です。
とはいえ、肝心の通信速度が満足できなければ何も解決しません。

モノポールアンテナとさんざん書いてきましたが、皆さんすぐに判る物でこういったアンテナといえばトランシーバーに付いています。アマチュア無線だとハンディタイプの無線機です。それとちょっと古い携帯電話・PHSです。こういったアンテナはホイップアンテナと呼びます。
アマチュア無線の家の屋根につけたアンテナや車に付けるアンテナと違い、トランシーバーのホイップアンテナも実際の指向性を決める事が出来ずメーカーが手こずるアンテナです。アンテナの近くに人の頭という巨大な障害物があるためアンテナの評価方法を確立するのも大変だったでしょう。

簡単なアンテナモデルで指向性を見てみる

ファンタジーとはいえ指向性について何も例示しないと何を言っているか判らないでしょう。簡単なモデルを作ってアンテナの放射パターンを計算してみます。me.na氏によるREAL-SAMMというアンテナシミュレータを使って計算してみます。

20cm四方のルーターの上方真ん中から13.5cmのアンテナが立っている状態を作りました。ここから5.2GHzの電波を出した場合の放射パターンを計算します。

正面から見た指向性       真横から見た指向性
真上から見た指向性

一つの例と思って上の図の放射パターンを見てください。チャンネルによる周波数の違いやアンテナの長さの違いで放射パターンは変わります。ドーナツ状に電波が出る事は無いなぁという程度に見てください。方向によって強弱が大きく変わって凸凹です。2.4GHz帯ではこの凸凹は穏やかになります。前後・左右は対称な形のモデルなので放射パターンも対称な形をしています。
アンテナを斜めにすると当然対称なパターンにはなりません。アンテナのほんの少しの角度の違いで放射パターンは大きく変わります。ルータ本体を20cm四方の導体としましたがこの大きさが変われば放射パターンも変わります。
計算をするとアンテナの指向性なんて気にしたら負けと思い出します。簡単にシミュレーションできますので遊んでみてはいかがでしょうか。

前置きが長いですね・・・結論としてWiFiルータに付いているアンテナの指向性は理想のモノポールアンテナとは全く違うものです。ではどんな感じ?と、言われてもアンテナの傾き、近くにある物、その材質の影響を受けて決まったものは無いんです。メーカーが特性図を出してくれたとしても目の前の現物には当てはまらないと考えましょう。無線の回路の性能が飛躍的に向上したためアンテナから効率よく電波が出てくれさえすれば電波の受信ができるのです。繰り返しますがホイップアンテナの指向性なんて資料があってもファンタジーに近いものにしかなりません。思った通りの方向に電波が出たとしても室内は電波の障害物だらけです。電波があちこちで反射されてしまいます。こんな障害物だらけの場所では電波を出す方向を気にするより何かに反射して目的の場所へ届く電波があることを期待する方が良いのです。

じゃぁ結局アンテナの向きはどうしたらよいの?ネット遅いんだけど?

私のやり方を参考程度に書いていきます。前回の記事ではアンテナの向きはできるだけ互いに直角になるよう向けましょう、と書きましたが、今のところ我が家では3本同じ向き平行にしています。

WiFiルータの位置

金属製の棚に置くのだけはやめましょう。家の1階ど真ん中が理想です。強弱の違いはありますが電波は四方八方に広がり遠いほど弱くなります。家のど真ん中なら電波の弱い場所を一番少なくできます。
スマホ/PCを使う部屋が決まっているならその部屋へ向かって壁や天井が少なくなる位置にWiFiルータを置きましょう。当たり前ですね。電波は壁を通り抜けると弱くなります。
また、壁で反射もします。反射を積極的に使うのもありです。隣の家の壁の反射もかなり強いと思いましょう。
とはいえ指向性も判らないし電波は目に見えないので気にするだけ損です。

アンテナ調整の仕方

WiFi電波の強さを見ながらアンテナの向きを調整するわけですが、その調整の目安の感じを押さえておきます
アンテナの向きは10度くらいをめどに変えていきます。アンテナのシミュレーションのようにほんのわずかな角度で電波の強さは大きく変わります。5GHz帯は特にそうなるはずです。
WiFiルータの位置は2~3cm単位で動かします。波長が10cmだとすると3cmも位置を動かすと電波の強さが大きく変わります。5GHz帯なら1cmでも動かせば十分。とはいえスマホの位置が動くので位置は気にしなくてOKです。正確にはWiFiルータの向きです。向きを変えた時アンテナの位置が2~3cmずれるのを一つの目安として置き方を変えていきます。

まずは3本のアンテナはまっすぐ上向きにそろえましょう。そしてWiFiルータの向きを決めておきます。基本の向きが無いと良くなったか悪くなったかもわかりません。3本まっすぐ上向きを基準にします。
そして前述の動かす量を目安にアンテナの向きやルータの向きを変えていきます。

WiFi電波の良し悪しを測る方法

電波が良くなったか悪くなったかを知るにはどうしたらよいでしょうか?私の基準はビデオをWiFi経由で見れる事ですので、ビデオファイルを実際に再生させるのが一番良いです。あらかじめビットレートの高いビデオを準備します。私は20Mbps~25Mbpsのビデオファイルを使っています。パソコンでビデオファイルをネットワーク共有で公開しスマホのsambaクライアントで再生します。sambaはネットワークの利用効率が悪いのでsambaで問題なく再生できればかなりの通信帯域が確保されている事になります。

ESファイルエクスプローラーでパソコンの共有ファイルのビデオを開きMX動画プレーヤーで再生しておきます。リンク速度が低くなると再生が引っかかり始めます。音声が途切れ途切れになるのでボリュームを最大にして音声を聞いていれば再生できているかが判ります。

電波の強さというのは一つの目安ですが、電波が届いてさえいれば強弱はそれほど気にする必要はないようです。電波が届かない、アクセスポイントのSSIDが見つからないという状態では問題ありますが最近のWiFiルータやスマホならばそんな状態にはならないでしょう。WEBが見れれば良いという程度ならアンテナの向きを気にする必要も無いでしょう。

安定したビデオ再生のためのうんちく

5GHz帯のWiFiを使いましょう。普及している2.4GHz帯ではお隣さんのWiFiと干渉してしまいます。2.4GHz帯は電子レンジと同じ周波数帯でもあるため電子レンジを使うとまともに通信はできません。
ビデオの再生など安定して数十Mbpsの通信をした場合は電波の強さというよりWiFiのMIMOという機能を使える状態にする事が重要なようです。WiFiルータに3本アンテナが付いていますが自動的に電波状態の良いアンテナを複数使った通信をしてくれます。
ビデオなど安定したビットレートの受信をするには強い電波1つを拾うより弱い電波を複数拾える方が良いようです。
Nexus7のようにアンテナ一本の端末の場合はMIMOの本当の性能は発揮されません。そのためWiFiチャンネルを2チャンネル使う機能が働かないとビデオ再生の速度は確保できないでしょう。2.4GHz帯ではご近所のWiFi電波の影響でデュアルチャンネルを使えない場合が多いです。この点でも電波のチャンネルが空いている5GHz帯を選択しましょう。MIMOが使える小型タブレットはKindle Fire HDX、iPad Air、iPad Mini Retinaなどです。

最近のWiFiではビームフォーミングなんて機能が付いているようです。ビームフォーミングとはWiFiルーターの3本のアンテナから出る電波のタイミングを調整してルータの電波が端末の場所で強め合うように調整してくれるそうです。
原理的にはファエイズドアレイアンテナという指向性を合成する技術と同じようです。これのものすごい版がイージス艦のレーダーです。
指向性と書きましたが正確には指向性を合成している訳ではなさそうです。私も指向性なんてファンタジーだと書いてしまっていますし・・・。ビームフォーミングに対応した端末で受信電波の強弱をWiFiルーターへ教え、WiFiルーターがその電波が強くなるように電波を出すタイミングを試行錯誤で変えているようです。MIMOもビームフォーミングも端末と相談しながら良い電波の出し方を決めるのです。指向性と書いてしまうとWiFiルーターからどの方向へ強い電波を出すか、という話になりますがビームフォーミングでは、どう電波を出せば端末の場所で電波が強くなるか、という制御をするようです。
本来の性能を発揮するにはこの試行錯誤のアルゴリズムが重要そうです。これからの各社腕の見せ所ですね。私は対応した端末を持っていないので実際のところはわかりません。

我が家のアンテナは向きをどう調整しているかを書いてみる

やっと本題です。基本的な設置条件ですが、二階家の二階ロフト上にWiFiルーターを設置しています。ロフトの床を挟むので3階床置きに近いです。
ビデオ再生をする場所はロフトのある2階の部屋から2部屋先の寝室、ロフト直下1階のふろ場です。
いままで書いたようなうんちくに基づきアンテナの方向をいろいろいじっています。

戦略A 3本のアンテナを別々の方向に向けていろいろな方向からの反射波で端末と通信しよう

いまのところ失敗です。スマホのWiFiモニタアプリで見ていると電波は確実に届くのですがリンク速度が10Mbps未満と低くビデオ再生で使えません。
空間的にまったく違う経路を確保できて良いと目論んでいましたがまったくMIMOが効かずダメなようです。【14/3/1追記:MIMOよりデュアルチャンネルが機能しないようです。チャンネルの空きはあるようですが使われない感じです。アンテナ1本の端末を使った場合でもアクセスポイント3本のアンテナのうち一番良いアンテナを使うよう働くはずです。】

戦略B 3本のアンテナを必ず平行にしつつ良いアンテナの向きを探ろう

現在これでやっています。アンテナの向きをバラバラにしたつもりでも本当に電波が良く出る方向は判らないのです。それならばいっそ向きをそろえてしまえ。メーカーの評価もきっとこれが基本のはず?
極端に悪くなるアンテナの向きもありますが概ねどこを向けてもビデオ再生が可能です。電波の強さは戦略Aと大差ないようですが、リンク速度が断然速いです。MIMOが効いてます。2階寝室では60Mbps程度のリンク速度はでます。風呂場では良ければ40Mbpsでリンクしますがスマホの向きや位置によりまちまちでちょっと安定しません。
意外だったのは3本のアンテナをすべて真上に向けた状態でもビデオ再生ができた事です。当初の思い込みでは電波は屋根に向かって強く出るのでWiFiルータより下の階はまともにビデオ再生ができないと思ってました。

3本のうち1本だけの向きを変えると何故かリンク速度が激減します。どう向けても元より良くなる方向が見つかりませんでした。このため戦略Aへと移る事ができません。
何が要因でこのような事になるか仮説を持てないでいますが、MIMOのアルゴリズムの影響はありそうだと思っています。異なるWiFiチップメーカーなら違う結果になるかもしれません。
下手に悩んでしまうなら3本をまっすぐ上に向けてしまえば良いと思います。この状態がアンテナ設計の基本のはずでMIMOやビームフォーミングのアルゴリズムにやさしい設置法だと推測できるからです。

アンテナ内蔵のアクセスポイントの場合はどうするのか

RT-AC68Uではアンテナが外に出ていて自由に動かせるので調整ごっこを楽しむことができます。ではアンテナ内蔵のアクセスポイントではどういった調整ができるでしょうか。
これでもかなり試行錯誤のポイントがあります。まず横置き縦置きの違い、設置する向きを10度くらいずつ回転させる、です。これだけでも試しきれない置き方があります。
アンテナが見えないと効果の原因を推測する事もできないので我が家の以前のAtermではあきらめちゃいました・・・。デュアルバンドやMIMOが効く設置ができなかった感じです。

以上、思いつくままに書いてしまい読みにくい記事になってしまいました。結論としてはアンテナの向きを決める方法は無いというのが本当のところです。

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