raspberry pi 2のキセノンフラッシュの問題はレーザーポインタでも起きるそうです

組み込みPC好きな人に人気のraspberry pi ですが最近パワーアップしてraspberry pi 2となり再度興味を持つ人が増えています。そんな中カメラのキセノンランプのフラッシュでリセットされてしまうという謎の現象が話題になっています。

最初に読んだ時は、電磁ノイズ対策がいい加減なのか とか キセノンフラッシュは高電圧の放電だからなぁ、なんて思っていました。

しかし、どうやら電磁ノイズとは関係ない現象のようです。
これはちょっと注目していた方が良い面白そうな問題です。





どんな事が起こっているかはGigazine様の記事が判りやすいですね。
カメラのフラッシュを当てると動作停止するデスフラッシュ現象が「Raspberry Pi 2」で発生
動作中の小型PCをフラッシュを光らせて写真を撮るとリセットされてしまうそうです。

電気屋さんならすぐに電磁ノイズの影響と思うでしょう。電気製品は製品から余計な電磁ノイズを出さない、外からの電磁ノイズの影響を受けないように設計し試験を受けます。raspberry piのような実験基板のようなものなら外からの電磁ノイズを受けているだけだろうと最初に思います。
あるいは使っているカメラのフラッシュ回路が電磁ノイズ出しまくりなのかな?と思います。

でも、もしもそんな問題ならraspberry pi 界隈の人たちが騒ぎ立てる訳がないのです。最初に気づく当たり前の事なのですから。

という訳で興味が出てきました。ちょっとフォーラムを見てみました。この話題のスレッドはこちらです。
Why is the PI2 camera-shy ?  http://www.raspberrypi.org/
この問題は特定のICに原因であるようで、さらにスレッドの2ページ目にレーザーポインタを当てた場合にも問題が起きると書かれています。赤のレーザーポインタのようです。
これで電磁ノイズの可能性は低くなり半導体の光電効果の影響という線が浮上します。しかし、問題のICは光を受ける構造にはなっておらず、電気回路で良く見る黒いICパッケージなのです。

カメラのCMOSセンサーなどのように半導体は光を電気に変える事ができます。半導体と光だけを見れば良く知られた普通の事です。しかし樹脂でおおわれた半導体が光の影響を受けてしまうというのは普通の事ではありません。強力な光なら可能性はありますが普通のカメラのフラッシュ程度で影響を受けては困ります。

フォーラムではキセノンランプは赤外に強い成分があるため赤外線に弱いのだろうという意見もありましたが、次のブログでは緑のレーザーでもリセットが起きると書いています。
Photonic Reset of the Raspberry Pi 2  http://hackaday.com/
波長によって光のエネルギーは変わるりますし、ICパッケージの光透過率も変わるでしょう。赤と緑という波長の違うレーザーが影響を与えるというのには驚きます。
HACKADAY様の記事で紹介されているa reddit threadの議論も面白そうです。

問題の生じるICはWafer level Chip Size Packageというとても小さなICを作る技術が使われているようです。スマホなどますます高密度化する電子回路に対応するためです。
先ほどICは樹脂でおおわれていると書きましたが、このような小さいICはほとんど裸の状態に近く作られています。スケスケ状態なのでしょうか?

ICは箱の中に入っているから光は当たらない、なんて議論も出ていますが、今後利用する用途によっては思いがけない誤動作を生じる可能性がある事を示してくれています。
電機・自動車の品質担当の方がピリピリしそうな話題です。動向を注目したいですね。

2015/2/10 追記:
原因が特定されcamera-shyのスレッドは閉じられました。詳細はraspberry pi財団のブログにまとめられました。
XENON DEATH FLASH: A FREE PHYSICS LESSON 
やはりWafer level Chip Size Packageの影響みたいですね。パンツはいてない状態です。原因が特定されてスッキリ  とはいかないのが今回の問題です。raspberry piとしての問題は今後対策されるでしょう。
しかし、ICメーカーやICを使うメーカは時限爆弾を抱えてしまったようなものです。今回問題の生じたICだけではなくWafer level Chip Size Packageを使ったICすべてが同様な問題を抱えている可能性があるのです。IoTブームでI小さなICを売り込もうというのにそのICが誤動作するかもしれないのです。今後製造されるICは対策されたパッケージへと変更されるでしょうが、すでに製品に組み込まれたICは時限爆弾となってしまいました。
まだ自動車に搭載されるようなパッケージではないでしょうが、どこかの業界で大量リコールが起きるかもしれません。

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