MeshmixerのOrientation(向き)を使うと綺麗にプリントできるモデルの向きがすぐにわかって便利です

3Dプリンタの造形ではモデルの設置向きが重要な事が分かってきました。

MeshmixerのOrientationについて書いているページがあまりないようなので書いてみます。


このところずっとサーフボードをプリントしています。平面が無いためサポートは絶対必要です。極力水平に置くと必ず下向きの面ができてしまいます。サポートに支えられるとはいえ下向きの面はブリッジ造形と変わらず綺麗な面を作ることができません。

前回の記事ではサポートに支えられる面を最小にする事でプリント後の修正箇所を最小限にできる事がわかりました。
サーフボードのミニチュアを3Dプリンタでプリントしてみる

例えば次のようにモデルを置きます。


するとサポートが必要な面が最小限になります。

他の方のブログなどを見ているとフィギュアなどは天地逆さまで造形すると良いような事が書かれていました。サーフボードの場合と同じですね。
サーフボードの場合はとても簡単な形なので自分で向きを決める事ができます。しかし複雑な形のモデルの場合にはどうやって向きを決めたらよいのでしょうか?考えるのが面倒になりますよね。

なんて事を思いながらフリーで使えるソフトを少しずついじっています。モデルを組み合わせたいのでMeshmixer(http://meshmixer.com/)をいじり始めました。ハク姐さんにサーフボードを乗ってもらわなくては。ソフトウエア毎に3Dビューの動かし方がバラバラで混乱します。

Meshmixerを使っていると正にこの配置方向を決めてくれるツールがある事に気づきました。
Analysis->Orienttation です。


オーバーハング角度、強度、サポート体積、サポート面積の重要度を指定してモデルの向きを決定してくれます。


サポートの付く場所を少なくしたいとか、サポートでフィラメントを消費したくないとか、積層が脆くて折れるとか考えながら優先順位をスライドバーで決めてUpdateを押すと向きを計算してくれます。
強度が何をしてくれるのか良くわかりませんが、置かれた向きから推測するに層間の接触面積が大きくなる角度を探してくれているのかな?なんでそんな斜めなの?という角度に置いてくれます。

文字を入れていないサーフボードだけなので簡単な例ですがお手軽に向きが決められます。若干、その向きはウソだろう、と思わなくもないですが。

それではこの機能で何か複雑なものをプリントしてみましょう。
またハク姐さんに登場願いました。

"Yowane Haku" 3D Printable model (STL)
http://www.thingiverse.com/thing:43006

適当にスライドバーを設定していろいろ試します。何となく思いつく配置になりますね。
ハク姐さんの課題はアホ毛と触覚です。サポートを取るときに必ず壊してます。

さて、プリントした結果は


こんな向きにしました。
モデルが斜めに配置されるので造形できるサイズが少し増えます。できるだけ大きなサイズにしました。

触覚(横髪)にサポートの必要がないため問題なくプリントできています。アホ毛はベッドに近い位置でのプリントになるため積層のブレが無くなります。細い形でもきれいにプリントできるでしょう。
顔や前面にサポートが被ることは無いため正面の見た目が良いです。
足はサポートがいらない角度になるのできれいにできています。
サポートの体積が少なく済むためフィラメントの節約になってます。

SIMPLIFY3Dでこの向きでインポートすると、なぜかお立ち台の円盤にサポートを配置してくれませんでした。円盤の下端から円盤を成長させるためマニュアルで円周に沿うようサポートを配置しました。

綺麗にプリントできたように見えますが膝から脛の部分で積層ズレが起きています。円盤のプリント中は鋭角な部分が連続します。反りによりノズルにぶつかったと予想されます。ちょうど円盤のサポートが無くなったところで起きています。

背中側はやはり少し品質が落ちます。髪を止めるリボンは何とか見れるかな。髪の毛に垂れたフィラメントのボツボツがたくさんできました。

サポートを取った後、アホ毛と触覚が無事に残ったのは初めてだったので満足です。
まぁ、複雑なモデルはいっぺんにプリントするなって事になるとは思いますが。

MeshmixerのOrientationはモデル配置の助けになる便利な機能ですね。

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