YLODしたPS3をオーブンで焼いて復活させた

数日前にPS3が壊れていたのに気づきました。症状はYellow Light Of Deathと巷で噂の症状のようでした。
まったく使っていないし廃棄しても良いのですが、ただ捨てるなら試してみようと・・・ドライヤーとやらを! ドライヤーでやる人が多いようなので私はオーブンで試してみました。



YLODと言われる故障の原因は半田クラックだと言われています。PS3で使われるCELLの様なICはとても大きいです。これが回路基板に百個以上もある端子ではんだ付けされています。そして、CELLの様な高性能なICは電気をたくさん喰い発熱が多いです。発熱するとICに使われている材料は膨張してほんの少し大きくなります。ICがはんだ付けされている基板も熱でほんの少し大きく広がりますが、ICと基板の大きくなる量が異なっています。そうするとはんだ付けされる場所にずれが生じます。しかし、はんだで固定されているのではんだ部分には引きはがそうとする力が加わる事になります。PS3の電源を切ってICと基板が冷めてくるとICと基板は元の大きさに縮んで戻ろうとします。しかし、冷え具合が異なるため縮むスピードが異なります。この時もはんだに無理な力が加わります。こんな事を何回もやっていると半田にひびが入り電気が流れなくなってしまいます。

チャレンジャーな誰かが故障の原因を半田クラックだと想像しドライヤーで熱するという事を始めたのでしょうね・・・。XBOXから伝わる技なのでしょうか?

熱するとなぜ直るかというと、ヒビが入ったはんだを溶かしてつなげて直すという事になります。

同様な半田クラックの問題はグラフィックボードの世界でも起きています。同様に熱することで直します。
どういう訳だかゲームマシンの世界はドライヤーであぶる例が多く、グラフィックボードの世界ではオーブンで焼く事が多いです。なんでしょうか?伝統?

電気回路の基板としてみるとオーブンで焼くのはリフローと言われる事を模しています。電気部品を基板につける場合はオーブンより正確に温度がコントロールできるもので基板を焼いてはんだ付けをします。ドライヤーのような物も使われています。ドライヤーは一部の部品だけ部品を熱するのに使います。

前置きはこんな感じで、私はオーブンでPS3の基板を焼いてみる事にします。理由としては温度管理がドライヤーよりもできそうだからです。電気部品も無駄に熱すると壊れてしまいます。ドライヤーでは場所により温度が異なりどうなるか判らないと思ったからです。できるだけはんだが溶けるぎりぎりの温度にしてやる事が重要です。

オーブンで焼く場合、基板のそのまま入れると温度に弱い部品も焼かれてしまいます。少しでも被害を減らすため半田クラックの容疑のかかっている部品以外をアルミフォイルで覆い保護します。まぁ、気休めですけど。巷の情報によるとこんな感じにしておけば良いようです。



中央付近の大きなIC2つとそのそばの黒いIC4つだけ見えるように基板をアルミフォイルでくるみました。基板はできるだけ水平になるように置いてください。はんだが溶けて部品がずり落ちでもしたら大変です。とはいえ神経質になる事はありません。リフローのまね事です。はんだが完全に溶けてしまうような焼き方をしたらもう壊れているでしょう。

そして、オーブンへ。

今回の私の焼きパターンを説明しておきます。
  1. オーブンを200℃に設定
  2. 予熱
  3. 焼き時間8分に設定
  4. 基板を入れる
  5. 残り2分で温度を240℃へあげる
  6. チーン!
以上です。これで私の家のオーブンではPS3が復活しました。

PS3のフォイル焼き

焼く時間が長すぎたり温度が高すぎると半田が溶けて部品が落ちちゃいます。あと、間違っても電子レンジで動かさないでください!!! 完全破壊しますよ!

しかし、初期型は分解がめんどくさいです。ネジが多すぎです。組み上げたときのお約束!


ネジが一本あまりました・・・

さて、PS3の分解の仕方とかは詳細な手順とかは他のサイト様にお任せです。
今回私が使った道具は
  • パーツクリーナー
  • はんだフラックス
  • 熱伝導グリス
 です。
パーツクリーナーで古いグリスをふき取ります。他の汚れも落とせます。
はんだフラックスはICと基板の隙間に流し込み、はんだが溶けて馴染むようにします。
熱伝導グリスは再組み付けの時、放熱板とICの間に薄く広がるように塗っておきます。

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