3Dプリンタを離れたところから使えるようにする方法のまとめ
個人でも使える3DプリンタはパソコンとUSBケーブルでつないで使うものがほとんどです。パソコンと離れた場所にプリンタを置きたい方も多いでしょう。ケーブルを延長したりネットワーク対応にしたり。
このような話題はすでに多くの情報がありますが最近の情報が少ない印象もあります。3Dプリンタブームもすっかり一段落していますね。ここ1年くらいの様子を再確認しつつまとめてみます。
3DプリンタはUSBケーブルでパソコンにつないで動かすものがほとんどです。3Dプリンタでのプリント時間はとても長くかかります。パソコンとプリンタをセットで置く場所が無いとか、パソコンを長時間プリンタに占有されるのはイヤだとか思いますよね。
そんな不満を解消する方法を紹介してみます。
USBケーブルは規格で長さが決まっています。ケーブルの長さは最長5mです。
ですから5mのUSBケーブルを使えば一番簡単です。
同じ部屋にパソコンとプリンタがある場合なら何とかつなげられそうですね。
もう少し伸ばしたい、俺の部屋はもっと広い、という場合はリピータ機能を持ったケーブルを使います。USBケーブルの長さの制限は5mですが、ケーブルを通る信号を整える機能を追加してさらにケーブルを伸ばせるようにしたものです。
上のiBUFFLALOの製品の場合3本使って15mまで伸ばし、最後の1本を普通の5mのUSBケーブルを使い、合わせて最大20mまで延長する事ができます。
20mあれば同じ部屋ならほぼ届くでしょう。
他には普通の5mのUSBケーブルを使ってUSBハブで中継する手もあります。USBハブで信号を整え直してくれます。ハブは5個くらい中継しても動くと言われていますが試してみないとちゃんと動くかわかりません。ハブに電源が必要な事も実用的ではないですね。
そんな場合はUSBの信号をネットワークに流せるように変換してくれるUSBデバイスサーバーを使うのも手です。
以前の記事
3DプリンタをUSBデバイスサーバで好きな場所に設置する
に書いたように私はこの方法を使っていました。
パソコンからUSBデバイスサーバまではLANで接続します。USBデバイスサーバと3DプリンタはUSBケーブルで接続します。
パソコンにはUSBデバイスサーバー用のドライバをインストールして、LAN上のUSBプリンタがパソコンに直接つながっているように見せかけます。ですから3DプリンタがLANの先にあったとしても3Dプリンタ用ソフトはパソコンに直接つながっているのと同じように動きます。
LANケーブルが使えるのでケーブルの長さ足りない事もなくなるでしょう。
もちろんパソコン側をWiFiだけにしても動くはず・・・なのですが、私の家の環境ではノートのWiFi経由ではプリントの途中で通信が遮断してしまい常用できませんでした。WiFiタイプのデバイスサーバなら良いかもしれませんが、私は試していませんのであなたの自己責任で挑戦されても良いでしょう。
使わなくなった古いノートパソコンを活用したり、5千円ほどの超小型コンピュータ基板を使うなどして、プリント中の3Dプリンタの面倒をみる専用サーバに任せてしまう方法です。
サーバと3DプリンタはUSBケーブルで接続します。サーバ用コンピュータはLANに接続します。そして、ネットワークからプリンタの操作ができたりG-Codeファイルをサーバへ送るとプリントされたりします。
普段使っているパソコンでスライスまで行いG-Codeファイルへ変換してしまいます。G-Codeのファイルをサーバへアップロードしたら、後はサーバが印刷してくれる感じになります。
このような3Dプリンタを管理するサーバーソフトウエアを紹介してみます。
Free版と有償のPro版があります。違いは
https://www.repetier-server.com/version-comparison/
に書いてあります。
G-Codeを送ってプリントするだけならばFree版で十分です。
Pro版ではカメラを追加してプリントの様子を見たり録画したりできるようになります。スライスもできるようになるのでG-CodeではなくSTLファイルなど3Dモデルデータを直接送ってプリントできるようになります。
動かせるコンピュータはWindows, Mac, Linuxとなっています。
Linuxと言っても種類がありすぎますね。
ダウンロードページ https://www.repetier-server.com/download-repetier-server/
で詳細が書いてあります。
Ubuntu 14.04LTS、Debian Wheezy、Debian Jessie、 Raspianです。
Raspberry Piでも動かせるようですね。
家に使わなくなったノートPCがあるけどWindows XPだからネットワークにつなぎたくない、なんて場合はOSにUbuntuを使うのも手です。
G-Codeをアップロードしてプリントをしてくれます。カメラをつなげばプリント中の様子を見る事も可能です。Cura Engineを使ってスライスをさせることも可能です。
OctoPrintはオープンソースソフトウエアです。そのため公開されているソースコードを自分でコンパイルして動かさなくてはなりません。敷居が高いですね。コンパイルの方法はホームページを見れば詳しく書いてあるのでそれほど難しくはないと思いますけど。
ソース言語はPythonを使っているため多くのOSで使う事ができます。開発自体はWindowsでやっているようです。
とはいえ、コンパイルって何?という方にお薦めできるものではありません。
最も簡単にOctoPrintを使う方法はOctoPiを使う事です。OctoPiは、Raspberry Piという小型コンピュータ基板で動くようにOctoPrintに必要な環境を丸ごとSDカードのイメージとして作るものです。
https://github.com/guysoft/OctoPi
OctoPiのイメージを焼いたSDカードをRaspberry Piへ入れるとすぐに動かせます。
ですからOctoPrintをググるとOctoPiを使った記事ばかり出てきます。
OctoPrintをベースとした別のソフトウエアです。できる事はOctoPrintとほぼ同じです。
UIデザインがかっこよくなったり、よりスマホから使いやすくしたみたいです。
AstroPrintのページにOctoPrintとの比較ページがあります。
https://blog.astroprint.com/octoprint_vs_astroprint/
パソコンで動かす方法は書いてないみたいです。
OctoPrintのOctoPiのようにAstroPrintにはAstroBoxというのがあります。AstroBoxもRaspberry Piで動きます。pcDuinoというまた別の小型コンピュータ基板でも動かせます。
AstroBoxはオープンソースソフトウエアです。
https://github.com/AstroPrint/AstroBox
Raspberry Pは小型のコンピュータ基板です。1万円もあれば動かせる環境が整います。
3Dプリンタ専用サーバなんて用意できないよ、という場合でも1万円程度で専用サーバが用意できるとなれば魅力を感じるのではないでしょうか。
とはいえ基板むき出しのコンピュータです。ですがLAN、USBはついています。HDMIで画面を表示させる事もできます。SDカードスロットがあり、OSやプログラムはSDカードに記憶させておきます。
USBキーボードとUSBマウスをつなげばコンピュータとして動かせます。
今回紹介したOctoPiやAstroBoxではキーボード、マウスやモニタは必要ありません。ネットワークさえ繋いでいれば動かすことができますので3Dプリンタの脇に置いて使うのにちょうど良いのです。
USBのWiFiアダプタを使うと無線LANでも使う事ができます。つまり無線で3Dプリンタをコントロールする事も簡単にできるようになります。
Raspberry Pi 3ではWiFiとBluetoothも基板上に載っています。ですが基板上のWiFiではAstroBoxの一部機能が動かせないようです。
そんな不安すら許容できないのであれば長いUSBケーブルを使うのが確実です。
3Dプリンタを別の部屋に置きたい、そしてプリントの状況をカメラでモニタしたいという場合は専用のサーバーを置く事になります。スマホでプリントの様子を見れると安心ですね。
私はあまりリモートで3Dプリンタを使う必要を感じていませんが、ネタとして試してみようと思っています。3Dプリンタのリモートコントロールソフトは数年前から状況はあまり変わってないようです。今回紹介したソフトウエアもすでに多くの方がブログなどで紹介しています。
私の手元に使わなくなったWindows XPのノートPCがあり、これをプリンタサーバーとして使えないかと思って調べ直しました。
ブログのネタにプリントの状況をビデオに撮りたいということもありました。ビデオのネット配信を考えるとXP時代のノートPCよりRaspberry Pi 3の方が性能は良いのです。コンピュータの進化はやはりすごいです。古いノートPCの使い道はなかなか見つかりません。
Raspberry Pi は以前から存在は知っていていつでも使える状況にはいたのですが、こちらも使い道がなかったですね。Linuxを動かして画面を眺めて満足し、それで終わりという方も多いと思います。
ですが3Dプリンタのリモートコントロール用サーバーとしては価格も安く消費電力も少なく性能的にも最適かもしれません。
OctoPiとAstroBoxのどちらが良いのか悩んでしまうでしょうが、両方のSDカードを作ってしまえばSDカードを差し替えるだけですぐに切り替える事ができます。
遅ればせながら私もネタにしてみようかな。
このような話題はすでに多くの情報がありますが最近の情報が少ない印象もあります。3Dプリンタブームもすっかり一段落していますね。ここ1年くらいの様子を再確認しつつまとめてみます。
そんな不満を解消する方法を紹介してみます。
USBケーブルを伸ばす
3Dプリンタとパソコンの置き場所を離したい事は多くあるでしょう。単純にはUSBケーブルを伸ばしたいですよね。USBケーブルは規格で長さが決まっています。ケーブルの長さは最長5mです。
ですから5mのUSBケーブルを使えば一番簡単です。
同じ部屋にパソコンとプリンタがある場合なら何とかつなげられそうですね。
もう少し伸ばしたい、俺の部屋はもっと広い、という場合はリピータ機能を持ったケーブルを使います。USBケーブルの長さの制限は5mですが、ケーブルを通る信号を整える機能を追加してさらにケーブルを伸ばせるようにしたものです。
上のiBUFFLALOの製品の場合3本使って15mまで伸ばし、最後の1本を普通の5mのUSBケーブルを使い、合わせて最大20mまで延長する事ができます。
20mあれば同じ部屋ならほぼ届くでしょう。
他には普通の5mのUSBケーブルを使ってUSBハブで中継する手もあります。USBハブで信号を整え直してくれます。ハブは5個くらい中継しても動くと言われていますが試してみないとちゃんと動くかわかりません。ハブに電源が必要な事も実用的ではないですね。
USBの信号をLANへ変換するUSBデバイスサーバーを使う
パソコンと3Dプリンタが違う部屋にある場合などではUSBケーブルを伸ばすのは現実的ではなくなってきます。ですがLANケーブルならすでにつながるという方も多いでしょう。そんな場合はUSBの信号をネットワークに流せるように変換してくれるUSBデバイスサーバーを使うのも手です。
以前の記事
3DプリンタをUSBデバイスサーバで好きな場所に設置する
に書いたように私はこの方法を使っていました。
パソコンからUSBデバイスサーバまではLANで接続します。USBデバイスサーバと3DプリンタはUSBケーブルで接続します。
パソコンにはUSBデバイスサーバー用のドライバをインストールして、LAN上のUSBプリンタがパソコンに直接つながっているように見せかけます。ですから3DプリンタがLANの先にあったとしても3Dプリンタ用ソフトはパソコンに直接つながっているのと同じように動きます。
LANケーブルが使えるのでケーブルの長さ足りない事もなくなるでしょう。
もちろんパソコン側をWiFiだけにしても動くはず・・・なのですが、私の家の環境ではノートのWiFi経由ではプリントの途中で通信が遮断してしまい常用できませんでした。WiFiタイプのデバイスサーバなら良いかもしれませんが、私は試していませんのであなたの自己責任で挑戦されても良いでしょう。
3Dプリンタ専用のサーバーを動かす
自分のメインのパソコンを3Dプリンタに占有されたくないと思う方も多いでしょう。ここからの方法は3Dプリンタ専用にコンピュータを用意する方法になります。使わなくなった古いノートパソコンを活用したり、5千円ほどの超小型コンピュータ基板を使うなどして、プリント中の3Dプリンタの面倒をみる専用サーバに任せてしまう方法です。
サーバと3DプリンタはUSBケーブルで接続します。サーバ用コンピュータはLANに接続します。そして、ネットワークからプリンタの操作ができたりG-Codeファイルをサーバへ送るとプリントされたりします。
普段使っているパソコンでスライスまで行いG-Codeファイルへ変換してしまいます。G-Codeのファイルをサーバへアップロードしたら、後はサーバが印刷してくれる感じになります。
このような3Dプリンタを管理するサーバーソフトウエアを紹介してみます。
Repetier Server
Repetier Server (https://www.repetier-server.com/)Free版と有償のPro版があります。違いは
https://www.repetier-server.com/version-comparison/
に書いてあります。
G-Codeを送ってプリントするだけならばFree版で十分です。
Pro版ではカメラを追加してプリントの様子を見たり録画したりできるようになります。スライスもできるようになるのでG-CodeではなくSTLファイルなど3Dモデルデータを直接送ってプリントできるようになります。
動かせるコンピュータはWindows, Mac, Linuxとなっています。
Linuxと言っても種類がありすぎますね。
ダウンロードページ https://www.repetier-server.com/download-repetier-server/
で詳細が書いてあります。
Ubuntu 14.04LTS、Debian Wheezy、Debian Jessie、 Raspianです。
Raspberry Piでも動かせるようですね。
家に使わなくなったノートPCがあるけどWindows XPだからネットワークにつなぎたくない、なんて場合はOSにUbuntuを使うのも手です。
OctoPrint (OctoPi)
OctoPrint (http://octoprint.org/)G-Codeをアップロードしてプリントをしてくれます。カメラをつなげばプリント中の様子を見る事も可能です。Cura Engineを使ってスライスをさせることも可能です。
OctoPrintはオープンソースソフトウエアです。そのため公開されているソースコードを自分でコンパイルして動かさなくてはなりません。敷居が高いですね。コンパイルの方法はホームページを見れば詳しく書いてあるのでそれほど難しくはないと思いますけど。
ソース言語はPythonを使っているため多くのOSで使う事ができます。開発自体はWindowsでやっているようです。
とはいえ、コンパイルって何?という方にお薦めできるものではありません。
最も簡単にOctoPrintを使う方法はOctoPiを使う事です。OctoPiは、Raspberry Piという小型コンピュータ基板で動くようにOctoPrintに必要な環境を丸ごとSDカードのイメージとして作るものです。
https://github.com/guysoft/OctoPi
OctoPiのイメージを焼いたSDカードをRaspberry Piへ入れるとすぐに動かせます。
ですからOctoPrintをググるとOctoPiを使った記事ばかり出てきます。
AstroPrint (AstroBox)
AstroPrint (https://www.astroprint.com/)OctoPrintをベースとした別のソフトウエアです。できる事はOctoPrintとほぼ同じです。
UIデザインがかっこよくなったり、よりスマホから使いやすくしたみたいです。
AstroPrintのページにOctoPrintとの比較ページがあります。
https://blog.astroprint.com/octoprint_vs_astroprint/
パソコンで動かす方法は書いてないみたいです。
OctoPrintのOctoPiのようにAstroPrintにはAstroBoxというのがあります。AstroBoxもRaspberry Piで動きます。pcDuinoというまた別の小型コンピュータ基板でも動かせます。
AstroBoxはオープンソースソフトウエアです。
https://github.com/AstroPrint/AstroBox
Raspberry Piの紹介
ちょっとここでRaspberry Piの紹介をしておきます。ラズベリーパイと読みます。OctoPiとAstroBoxを動かすのに使うコンピュータです。Raspberry Pは小型のコンピュータ基板です。1万円もあれば動かせる環境が整います。
3Dプリンタ専用サーバなんて用意できないよ、という場合でも1万円程度で専用サーバが用意できるとなれば魅力を感じるのではないでしょうか。
とはいえ基板むき出しのコンピュータです。ですがLAN、USBはついています。HDMIで画面を表示させる事もできます。SDカードスロットがあり、OSやプログラムはSDカードに記憶させておきます。
USBキーボードとUSBマウスをつなげばコンピュータとして動かせます。
今回紹介したOctoPiやAstroBoxではキーボード、マウスやモニタは必要ありません。ネットワークさえ繋いでいれば動かすことができますので3Dプリンタの脇に置いて使うのにちょうど良いのです。
USBのWiFiアダプタを使うと無線LANでも使う事ができます。つまり無線で3Dプリンタをコントロールする事も簡単にできるようになります。
Raspberry Pi 3ではWiFiとBluetoothも基板上に載っています。ですが基板上のWiFiではAstroBoxの一部機能が動かせないようです。
まとめ
リモートコントロール用サーバーを動かすのはわけわからん、という方はUSBデバイスサーバーをお薦めします。最近のUSBデバイスサーバーはUSBカメラやUSBハードディスクなどもLAN経由で使う事ができます。ですが、相性的な問題で動かないものがあるのも確かです。3Dプリンタをうまく認識しない可能性もあります。そんな不安すら許容できないのであれば長いUSBケーブルを使うのが確実です。
3Dプリンタを別の部屋に置きたい、そしてプリントの状況をカメラでモニタしたいという場合は専用のサーバーを置く事になります。スマホでプリントの様子を見れると安心ですね。
私はあまりリモートで3Dプリンタを使う必要を感じていませんが、ネタとして試してみようと思っています。3Dプリンタのリモートコントロールソフトは数年前から状況はあまり変わってないようです。今回紹介したソフトウエアもすでに多くの方がブログなどで紹介しています。
私の手元に使わなくなったWindows XPのノートPCがあり、これをプリンタサーバーとして使えないかと思って調べ直しました。
ブログのネタにプリントの状況をビデオに撮りたいということもありました。ビデオのネット配信を考えるとXP時代のノートPCよりRaspberry Pi 3の方が性能は良いのです。コンピュータの進化はやはりすごいです。古いノートPCの使い道はなかなか見つかりません。
Raspberry Pi は以前から存在は知っていていつでも使える状況にはいたのですが、こちらも使い道がなかったですね。Linuxを動かして画面を眺めて満足し、それで終わりという方も多いと思います。
ですが3Dプリンタのリモートコントロール用サーバーとしては価格も安く消費電力も少なく性能的にも最適かもしれません。
OctoPiとAstroBoxのどちらが良いのか悩んでしまうでしょうが、両方のSDカードを作ってしまえばSDカードを差し替えるだけですぐに切り替える事ができます。
遅ればせながら私もネタにしてみようかな。
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