3Dプリントしたモデルの外周が盛り上がったりく溝ができたりする
3Dプリンタの造形物の外周に大きく盛り上がったり、窪んで溝ができたりしました。
Retractionの設定が原因だろうと思っていましたが違ったようです。
SIMPLIFY3Dで相変わらずサーフボードをプリントしています。かれこれ20本はプリントしたかも・・・
積層痕がヤスリがけで綺麗に消えないのでプリントしまくっています。
おかげでパラメータの調整具合を見るのにもサーフボードをプリントしてます。
せっかちな私はゆっくりとしたスピードでプリントするのが我慢できませんでした。綺麗にプリントするにはゆっくりな方がいいのは分かってますけど。
という事で現在は基本的に100mm/sの設定でプリントしてます。
材料は今のところABSで条件だしをしています。一番単価が安いですからいろいろ実験するのはABSになっちゃいます。
基本的に大きな破たんをすることなく高速プリントができているのですが、今までにない問題が生じるようになりました。プリントしたモデルの外周部に窪みができて溝になってしまうのです。
プリントしているモデルはこれの文字無し版です。
サーフボードのミニチュアを3Dプリンタでプリントしてみる
これをできる限り高速にプリントしたい。
速度が判るように断面表示にしてみました。
このモデルの配置向きはMeshmixerのorientationに決めてもらいました。
MeshmixerのOrientation(向き)を使うと綺麗にプリントできるモデルの向きがすぐにわかって便利です
さすがに最外周は遅くしてます。
100mm/s設定ではプリントできないだろうと思っていたのですが意外といけます。このモデルでは内部充填がほとんどないので100mm/sで描くところはほとんどないです。サポートが形にならない事を心配していましたが綺麗にできています。
ですが、こんな部分が。
何か窪んでるんです。溝になっています。
できる場所が微妙に動いています。外郭をプリントするスタートポイントにできているようです。
プリント速度を上げる以前から微妙に溝があるのは気づいていました。まずは全体がプリントできる事を優先にパラメータをいじっていたので対策はしていませんでした。しかし、今回は目立ちすぎです。
と、思いつつも対策をせずプリント速度アップの調整をしていました。
すると・・・
今度は溝じゃなく盛り上がってます。全体的に形が膨れ気味。爆発しそう。
こんな外形になったことは今までなかったので原因が判りません。速度を上げるためにパラメータをいじった結果こうなってしまいました。何が原因なのでしょうか。
外形のでっぱりはほとんどRetractionが原因です。これはOoze Controlのパラメータに違いないと思いました。Ooze Controlはノズルからのフィラメントの垂れを調整するパラメータです。
Coast at End ではフィラメントを押し出す移動長の微調整ができ、垂れを見込んだフィラメントの押し出し量を設定できます。これが、足りなかったり多すぎたりすると今回の症状が出るのではないか?
しかし、この外周部分は連続してプリントされるためRetractionは行いません。垂れたフィラメントが付いた形とも異なります。フィラメントの押し出し量の具合はサポートの出来具合を見ると分かりやすいです。これだけ溝ができたり盛り上がったりするなら壁の薄いサポートのプリント状態にすぐに表れるはずです。そのサポートのプリントは良好です。
今回のモデルの向きだとオーバーハングになる面がスタートポイントになってしまいます。もしかしたらこれが原因かもと思いStart Pointsがオーバーハング面にならないように設定しました。これは関係なかったようで何も変わりませんでした。
となるとプリント速度を上げたこと自体がプリントのバランスを全て崩してしまったとも考えられます。100mm/sプリントはあきらめるか・・・
と、あきらめ気味にSIMPLIFY3DのFFF Settingsを端から端まで見直していました。
すると最も影響しそうなパラメータを忘れていた事に気づきました。
それはフィラメント径とExtrusion Multiplierです。フィラメントの量を決める基本的なパラメータです。
プリント速度を上げるにあたってブリッジや表面の埋まり具合を見てExtrusion Multiplierの値を変えていました。SIMPLIFY3Dではフィラメント径は固定にしてExtrusion Multiplierを変更する流儀のようです。また、SIMPLIFY3DのフォーラムにABSは1.0がデフォルトと書いてありました。
溝ができた時は0.89、盛り上がった時は1.0にしていました。もう、これに違いない。
早速、プリント速度100mm/sのままExtrusion Multiplierの値を変えてみます。
すると値を変えると確かに溝が小さくなったり、盛り上がりが少なくなったりしました。最適そうな値を見つけるまで0.01ずつ値を変えて5回くらいプリントしました。
そして、最適そうな値にすると・・・
綺麗にできました!
オーバーハング面じゃない面にスタートポイントを持ってきたので前述の写真とは逆の面の写真になっています。
Extrusion Multiplierってこうやって決める値じゃなかったと思うのですがどうなってるんだろう。
フィラメントが多すぎて盛り上がるのはわかります。ですが溝ができる理由はわかりません。線が細くなるだけで形に影響が出るはずはないと思うのですけど。外郭を1周して最後に閉じない可能性はありますがせいぜいコンマ数ミリの話だと思います。大きな溝が生じるのはなぜなんだろう。
とにかく、これで高速のプリントがある程度できるようになったと思います。
以前は層厚0.1mmでサーフボードを出力すると4時間半から5時間かかっていました。それが1時間50分ほどになりました。層厚0.3mmなら40分でプリントできます。
infillの上のソリッドがまだ汚いんですよね。
本当にきれいに出したい時に速度を落とすのは簡単ですから、しばらく高速設定を詰めてみようと思います。
Retractionの設定が原因だろうと思っていましたが違ったようです。
SIMPLIFY3Dで相変わらずサーフボードをプリントしています。かれこれ20本はプリントしたかも・・・
積層痕がヤスリがけで綺麗に消えないのでプリントしまくっています。
おかげでパラメータの調整具合を見るのにもサーフボードをプリントしてます。
という事で現在は基本的に100mm/sの設定でプリントしてます。
材料は今のところABSで条件だしをしています。一番単価が安いですからいろいろ実験するのはABSになっちゃいます。
基本的に大きな破たんをすることなく高速プリントができているのですが、今までにない問題が生じるようになりました。プリントしたモデルの外周部に窪みができて溝になってしまうのです。
プリントしているモデルはこれの文字無し版です。
サーフボードのミニチュアを3Dプリンタでプリントしてみる
これをできる限り高速にプリントしたい。
サーフボードの配置と速度 |
速度が判るように断面表示にしてみました。
このモデルの配置向きはMeshmixerのorientationに決めてもらいました。
MeshmixerのOrientation(向き)を使うと綺麗にプリントできるモデルの向きがすぐにわかって便利です
さすがに最外周は遅くしてます。
100mm/s設定ではプリントできないだろうと思っていたのですが意外といけます。このモデルでは内部充填がほとんどないので100mm/sで描くところはほとんどないです。サポートが形にならない事を心配していましたが綺麗にできています。
ですが、こんな部分が。
外周に溝ができる |
何か窪んでるんです。溝になっています。
できる場所が微妙に動いています。外郭をプリントするスタートポイントにできているようです。
プリント速度を上げる以前から微妙に溝があるのは気づいていました。まずは全体がプリントできる事を優先にパラメータをいじっていたので対策はしていませんでした。しかし、今回は目立ちすぎです。
と、思いつつも対策をせずプリント速度アップの調整をしていました。
すると・・・
外周が盛り上がる |
こんな外形になったことは今までなかったので原因が判りません。速度を上げるためにパラメータをいじった結果こうなってしまいました。何が原因なのでしょうか。
外形のでっぱりはほとんどRetractionが原因です。これはOoze Controlのパラメータに違いないと思いました。Ooze Controlはノズルからのフィラメントの垂れを調整するパラメータです。
Coast at End ではフィラメントを押し出す移動長の微調整ができ、垂れを見込んだフィラメントの押し出し量を設定できます。これが、足りなかったり多すぎたりすると今回の症状が出るのではないか?
しかし、この外周部分は連続してプリントされるためRetractionは行いません。垂れたフィラメントが付いた形とも異なります。フィラメントの押し出し量の具合はサポートの出来具合を見ると分かりやすいです。これだけ溝ができたり盛り上がったりするなら壁の薄いサポートのプリント状態にすぐに表れるはずです。そのサポートのプリントは良好です。
今回のモデルの向きだとオーバーハングになる面がスタートポイントになってしまいます。もしかしたらこれが原因かもと思いStart Pointsがオーバーハング面にならないように設定しました。これは関係なかったようで何も変わりませんでした。
となるとプリント速度を上げたこと自体がプリントのバランスを全て崩してしまったとも考えられます。100mm/sプリントはあきらめるか・・・
と、あきらめ気味にSIMPLIFY3DのFFF Settingsを端から端まで見直していました。
すると最も影響しそうなパラメータを忘れていた事に気づきました。
それはフィラメント径とExtrusion Multiplierです。フィラメントの量を決める基本的なパラメータです。
プリント速度を上げるにあたってブリッジや表面の埋まり具合を見てExtrusion Multiplierの値を変えていました。SIMPLIFY3Dではフィラメント径は固定にしてExtrusion Multiplierを変更する流儀のようです。また、SIMPLIFY3DのフォーラムにABSは1.0がデフォルトと書いてありました。
溝ができた時は0.89、盛り上がった時は1.0にしていました。もう、これに違いない。
早速、プリント速度100mm/sのままExtrusion Multiplierの値を変えてみます。
すると値を変えると確かに溝が小さくなったり、盛り上がりが少なくなったりしました。最適そうな値を見つけるまで0.01ずつ値を変えて5回くらいプリントしました。
そして、最適そうな値にすると・・・
Extrusion Multiplierを調整した後 |
オーバーハング面じゃない面にスタートポイントを持ってきたので前述の写真とは逆の面の写真になっています。
Extrusion Multiplierってこうやって決める値じゃなかったと思うのですがどうなってるんだろう。
フィラメントが多すぎて盛り上がるのはわかります。ですが溝ができる理由はわかりません。線が細くなるだけで形に影響が出るはずはないと思うのですけど。外郭を1周して最後に閉じない可能性はありますがせいぜいコンマ数ミリの話だと思います。大きな溝が生じるのはなぜなんだろう。
とにかく、これで高速のプリントがある程度できるようになったと思います。
以前は層厚0.1mmでサーフボードを出力すると4時間半から5時間かかっていました。それが1時間50分ほどになりました。層厚0.3mmなら40分でプリントできます。
infillの上のソリッドがまだ汚いんですよね。
本当にきれいに出したい時に速度を落とすのは簡単ですから、しばらく高速設定を詰めてみようと思います。
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